2019年知的財産権制度説明会(初心者向け)テキストをダウンロードできます
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
「2019年知的財産権制度説明会(初心者向け)」で配布された初心者向けテキストを無料でダウンロードできますので、今回はそれについて書きます。
2019年知的財産権制度説明会(初心者向け)テキストはこちら
このテキストは、ご存知の通り、特許権・実用新案権・意匠権・商標権(以下「産業財産権」という)の登録機関である特許庁が、毎年開催される説明会用に作成しているテキストになります。
特許庁自体は、上述したように、産業財産権の登録までを主に取り扱っていますが、このテキストでは、次の目次に示すように、産業財産権の登録までの手続にとどまらず、J-PlatPat を用いた産業財産権情報の利用、産業財産権の活用・権利侵害への対応やその他の知的財産権等についても簡潔に説明されています。
さて、このテキストの内容ですが次のような目次になっています。
- 概要編
- 第1章 知的財産権と産業財産権制度の概要
- 第1節 知的財産権とは
- 第2節 産業財産権制度とは
- 第2章 産業財産権の概要
- 第1節 特許制度の概要
- 特許制度の目的
- 特許法上の発明(保護対象)
- 特許を受けることができる発明とは
- 発明の種類と捉え方
- 特許を受けることができる者
- 職務発明制度とは
- 出願から特許権取得までの流れ
- 特許出願に必要な書類
- 特許出願の手続
- 様々な制度に基づく出願
- 出願公開
- 出願審査請求
- 方式審査への対応
- 実体審査への対応
- 特許査定と特許権の成立
- 特許権の維持・消滅
- 特許権の効力
- 特許発明の技術的範囲
- 特許権の効力の例外
- 拒絶査定
- 拒絶査定不服審判(特許法第121条)
- 特許無効審判(特許法第123条)
- 特許異議の申立て(特許法第113条)
- 訂正審判(特許法第126条)
- 第2節 実用新案制度の概要
- 実用新案制度の目的と保護対象
- 実用新案制度と特許制度の違い
- 出願から実用新案権取得までの流れ
- 実用新案権の行使
- 第3節 意匠制度の概要
- 意匠制度の目的
- 意匠登録を受けるためには
- 出願から意匠権取得までの流れ
- ニーズに応じた意匠登録出願
- 部分意匠
- 画像デザイン
- 組物の意匠
- 関連意匠
- 秘密意匠
- 第4節 商標制度の概要
- 商標とは
- 商標登録を受けることができない商標
- 出願から商標権取得までの流れ
- 事前調査
- 商標登録出願に必要な書類
- 手続に必要な料金
- 出願公開
- 実体審査
- 商標権の存続期間と更新登録申請
- 地域団体商標制度
- 商標登録の効果
- 商標登録異議の申立て・審判
- その他の制度
- 第5節 外国での権利取得
- 特許・実用新案
- 意匠
- 商標
- 第1節 特許制度の概要
- 第3章 特許情報の利用
- 特許情報とは
- 特許の分類(IPC)とFI・Fターム
- 特許情報プラットフォームを利用した特許情報の検索
- J-PlatPat を利用した特許・実用新案検索
- J-PlatPat を利用した意匠検索
- J-PlatPat を利用した商標検索
- 画像意匠公報検索支援ツール(Graphic Image Park)を利用した画像デザインに関する意匠公報の調査
- 第4章 産業財産権の活用と権利侵害への対応(特許権を中心として)
- 第1節 産業財産権の活用
- 産業財産権利用形態の類型
- ライセンスの類型
- 出願しない形態での知的財産の活用(ノウハウ管理)
- 共有に係る特許権
- 技術移転の活用
- 第2節 権利侵害への対応
- 第3節 判定・無効審判制度
- 第1節 産業財産権の活用
- 第5章 その他の知的財産等
- 第1節 不正競争の防止(不正競争防止法)
- 第2節 著作権の目的と保護対象
- 第3節 植物の新品種の保護(育成者権)
- 第4節 地理的表示(GI)保護制度の概要
- 第6章 その他の運用
- 第1節 早期審査(審理)・優先審査・面接等
- 特許・実用新案
- 意匠
- 商標
- 第2節 特許審査ハイウェイ(PPH:Patent Prosecution Highway)
- 第1節 早期審査(審理)・優先審査・面接等
- 第7章 地域における支援サービス
- 第1節 経済産業局等知的財産室
- 第2節 地域知的財産戦略本部
- 第3節 INPIT知財総合支援窓口
- 第4節 弁理士・日本弁理士会
- 第5節 独立行政法人 中小企業基盤整備機構
- 第6節 商工会・商工会議所
- 第7節 よろず支援拠点
- 第1章 知的財産権と産業財産権制度の概要
- Ⅱ 様式編
- 特許
- 特許願
- 明細書
- 特許請求の範囲
- 要約書
- 図面
- 出願審査請求書
- 拒絶理由通知書
- 意見書
- 手続補正書
- 特許料納付書
- 移転登録申請書
- 譲渡証書
- 実用新案
- 実用新案登録願
- 明細書
- 実用新案登録請求の範囲
- 要約書
- 図面
- 実用新案技術評価請求書
- 実用新案技術評価書
- 意匠
- 意匠登録願
- 拒絶理由通知書
- 意見書
- 手続補正書
- 特徴記載書
- 商標
- 商標登録願
- 地域団体商標登録願
- 拒絶理由通知書
- 意見書
- 手続補正書
- 特許
- Ⅲ 参考編
- 産業財産権関係料金一覧
- 公開特許公報(見本)
- 特許原簿(見本)
- 登録証(見本)
- 意匠 組物の構成物品の例
- 商品及び役務の区分
- 経済産業局等知的財産室一覧表
- 独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)公報閲覧室
- 独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)相談・支援窓口一覧
- INPIT知財総合支援窓口一覧
- 日本弁理士会本部・地域会一覧
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構 地域本部一覧
- よろず支援拠点一覧
- 承認・認定TLO(技術移転機関)一覧
- 農林水産分野に関する知的財産相談窓口一覧
- 営業秘密侵害事犯 窓口連絡先一覧
- お問合せ先一覧
これらの目次から分かるように、このテキストは非常に多くの情報を含む資料となっています。
実際、2019年版のテキストでは、総ページ数が280ページを超えており、簡単に読めるというような分量ではありません。
このテキストの使い方としては、特許庁が主催する説明会(初心者向け)に参加して分からなかったところを確認したり、特許庁が配布しているパンフレットや市販されている初心者用の書籍で分からなかった部分について補足する際に利用するのがよいのではないでしょうか?
産業財産権を所管している特許庁が作成しており、とても信頼性があるテキストなので、不明な部分の確認にはもってこいの資料だと思います。
なお、より実務的なものについては、2019年知的財産権制度説明会(実務者向け)テキストがありますが、このブログを書いている時点(2020年1月上旬)では、まだダウンロードできるようになっていません。
実務者向けテキストが公表されました。
実務者向けテキストのブログはこちら
実務者向けテキストがダウンロードできるようになりましたら、このブログで紹介いたします。
この初心者向けテキストをご覧になって見れば分かる通り、産業財産権の登録手続や移転(譲渡)手続は非常に複雑です。
これらの手続に不安があるようでしたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。
※実務者向けテキストのブログの情報を追加(2020/2/16)