令和元年改正意匠法に関するパンフレットがありますよ!
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
昨年に引き続き、今年度も意匠法を含む産業財産権法の改正が行われました。
特に、今回の意匠法の改正では、主に次のような大きな改正が行われました。
- 保護対象の拡充
物品に記録・表示されていない画像や、建築物の外観・内装のデザインも保護対象になりました。 - 関連意匠制度の見直し
関連意匠の出願可能期間を、本意匠の出願日から10年以内に行えばよいことになりました。
関連意匠にのみ類似する意匠も登録対象になりました。 - 意匠権の存続期間の変更
意匠権の存続期間が、出願日から25年になりました。 - 意匠登録出願手続の簡素化
複数意匠の一括出願が認められることになりました。
物品の区分が廃止されました。 - 間接侵害規定の拡充
侵害品を構成部品に分割して製造・輸入等する行為を取り締まれることになりました。
このように、意匠制度を大きく変える法改正となったという理由からかもしれませんが、特許庁が2019年7月に改正意匠法に関するパンフレット(イノベーション・ブランド構築に資する意匠法改正ー令和元年改正ー)を公表しましたので、今回はこれについて書きます。
「イノベーション・ブランド構築に資する意匠法改正ー令和元年改正ー」はこちら
また、「イノベーション・ブランド構築に資する意匠法改正ー令和元年改正ー(英語版)」はこちら
さて、このパンフレットですが、次のような内容となっています。
- 保護対象の拡充
- 画像のデザイン
- 建築物、内装のデザイン
- 関連意匠制度の拡充(群のデザインを保護する制度)
- その他の改正項目
- 意匠権の存続期間の変更
- 複数意匠一括出願の導入
- 物品区分の取扱いの見直し
- 創作非容易性の水準の明確化
- 組物の部分意匠の導入
- 間接侵害規定の拡充
- 手続救済規定の拡充
- 損害賠償額算定方法の見直し
- 改正意匠法の施行期日
- 具体的運用
内容としては、図等を多く使い、直感的に分かるように工夫されています。
例えば、次の図のように、今回の法改正で、従来の保護対象であった「物品」に加え、「画像」、「建築物」や「内装」が新たな保護対象になったことが分かり易く説明されています。
意匠法は、産業財産権法の中では、比較的利用されていないものとなっていますが、デザインを保護する重要な法律です。
この法改正により保護対象が拡充されたので、より使われるようになるかもしれませんね。
機能だけでなく、デザインで他社製品との差別化を図りたいと考えている方は、是非このパンフレットをご覧ください。
より使い易くなった意匠法で、オリジナルデザインを保護することができるようになるかもしれませんよ!
ちなみに、このパンフレットでは、施行日が未定と記載されていましたが、2019年11月7日に「特許法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」が公布され、改正意匠法は令和2年4月1日(水曜日)から適用されることが確定しました。
弊所では、令和元年改正を含めた意匠法に関するご相談も承っております。
改正意匠法も含めて意匠法について何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。