カイコの医療分野における利用と卵
こんにちは。高田馬場のブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。
先日、免疫生物研究所が、遺伝子組み換えのカイコを用いて抗HIV抗体とその製造方法に関する特許を出願したことがニュースになりました。抗HIV抗体医薬品の早期実用化を目指すそうです。
なぜ、カイコ?と思われる人もいるかもしれませんが、今では、カイコの医療分野における利用は注目を浴びています。
そもそもカイコは品種改良の必要性から、遺伝学的研究が進んだという背景があるようです。カイコの品種改良というと、以前、関係者の方から、品種改良で羽を小さくして飛べないようになった蛾の見本を見せてもらったことがありますが、人間の都合で飛べないように改良されて、なんだかかわいそうな気がしました。
ところで、カイコの卵が取引されていることをご存知でしょうか?
日本にはカイコの卵を製造販売している会社は4社しかないそうですが、以前、西日本で唯一のカイコの卵を製造販売している会社を見学させてもらったことがあります。
カイコの卵は、洞窟のような涼しい場所で孵化しないように冷蔵保存されていました。卵は非常に小さい1ミリほどの黒い粒粒でした。
画像はそのときの写真です。
大学などの研究機関とも取引があるそうで、当時も犬や猫の薬に使われるインターフェロンというたんぱく質の生産用に販売しているというお話を伺いました。
今回ニュースになった免疫生物研究所も、日本で数社しかないカイコの卵の製造販売業者のうちの一つから、卵を入手したのかもしれませんね。
弊所では、遺伝子組み換えの特許に関するご相談も承っておりますので、お気軽にご連絡下さい。
今日は以上です。