アルゼンチンとの租税条約が署名されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
2019年6月27日に、アルゼンチンとの間で、初めて租税条約(所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアルゼンチン共和国との間の条約)が締結されたので、今回はそれについて書きます。
財務省のプレスリリースによると、アルゼンチンとの間では、これまで租税条約は締結されておらず、初めての租税条約が締結されたことになります。
さて、この租税条約が発効されると、次のとおり、源泉地国(所得が生ずる国)における課税の上限(限度税率)が設けられ、または課税が免除されます。
(なお、 条約の特典の濫用を防止するため、条約の特典を受けることが取引等の主要な目的の一つであったと認められる場合及び第三国に存在する恒久的施設に帰属する一定の所得については、条約の特典は認められませんので、ご注意ください。)
配当 | 利子 | 使用料 |
---|---|---|
10%(議決権保有割合25%以上・保有期間6か月以上) 15%(その他) | 免税(政府受取等) 12%(その他) | 3%(ニュース) 5%(著作権) 10%(その他) |
この表から分かるように、ライセンス契約により得られるライセンス料(使用料)の課税については、10%(著作権の使用料については5%)になります。
この租税条約を適用しないと、日本・アルゼンチンの両国で、ライセンス料に対して課税されることになりますので、エクアドルの企業とライセンス契約等を締結しているまたは締結する予定がありましたら、この租税条約が発効されたらすぐに届出を是非行ってください。
なお、弊所では、アルゼンチンを含む外国企業とのライセンス契約における租税条約のご相談も承っております。
ライセンス契約に関して何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。