GIマークは、中国およびインドでも商標(著作権)登録されています
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
以前のブログ(ブログ1、ブログ2)で、多くの国々で、GIマークが商標登録されていることを書きましたが、今回は中国およびインドでも商標(著作権)登録されていることについて書きます。
ちなみに、GIマーク(Geographical Indication mark)とは、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(地理的表示法)で規定されている「登録標章」であり、地理的表示と共に登録された特定農林水産物等の包装などに付けなくてはならないことになっています(地理的表示法4条)。
このGIマークですが、中国およびインドでも既に登録されています。ただ、中国では、このGIマークは、商標登録ではなく、著作権登録となっています(インドでは、GIマークは、他の国と同様に商標登録されています)。
中国でも商標登録することができるのですが、商標登録ではなく著作権登録にしたのは、何か理由があったのかもしれません。
登録国 | 中華人民共和国 | インド |
---|---|---|
登録番号 (登記番号) | 国作登字-2017-F-00322740 (著作権登録) | 1284119 |
出願日 | 平成29年4月6日 | 平成27年3月20日 |
登録日 | 平成29年6月6日 | 平成30年3月15日 |
権利期間 | 登記日より50年間 | 出願日より10年間 |
権利者 | 日本国農林水産省食料産業局 | 日本国農林水産省食料産業局長 |
登録区分 | --- | 農林水産物・食品等を含む23区分 |
今後は、インドでは、地理的表示保護制度に登録された特定農産物等以外に、このGIマークを無断で使用すると、商標権侵害に基づく差止や損害賠償を請求されることになります。
一方、中国では、このGIマークを無断で使用すると、著作権侵害に基づく差止や損害賠償が請求されることになります。
ところで、中国での著作権登録は登記日から50年間しか効力を有さないので、その後はどうするのか?と疑問を持つ方もいるかもしれません。
ただ、農林水産省は、相互の国で地理的表示を保護できるような条約の締結を積極的に進めているので、いずれは中国との間でも地理的表示を相互に保護する条約が締結されることになるのかもしれません。
したがって、中国でのGIマークの著作権は条約が締結されるまで存続していればよいと考えているのかもしれません。
このように、地理的表示に登録されると、外国でも保護されることになります。
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今日は以上です。