裁判所の事件番号について
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
弊所でも裁判の相談案件が増えてきているのですが、裁判所の事件番号の規則性について、よく知らなかったことに気づきました。
そこで、今回は、裁判所の事件番号についてまとめてみることにしました。
さて、裁判所の事件番号は次のような形式で表示されることになっています。
「裁判所名」+「元号」+「年(元号表記)」+「事件記録符号(民事・刑事)」+「受付番号」
- 裁判所名:その事件を受け付けた裁判所名
東京地方裁判所、知的財産高等裁判所、最高裁判所等 - 元号:その事件を受け付けた年の元号
令和、平成、昭和等 - 年(元号表記):その事件を受け付けた年(西暦等ではなく、元号での表記)
元年、30年、60年等 - 事件記録符号:民事事件記録符号規程、刑事事件記録符号規程等によって定められている符号(例えば次のような符号)
- 民事事件
- 簡易裁判所
- (ハ) 通常の第1審訴訟事件
- 地方裁判所
- (ワ) 通常の第1審訴訟事件
- (手ワ) 手形訴訟事件・小切手訴訟事件
- (レ) 控訴事件
- 高等裁判所
- (ネ) 控訴事件
- (ツ) 上告事件
- 最高裁判所
- (オ) 上告事件
- (受) 上告受理事件
- 簡易裁判所
- 行政訴訟事件
- 地方裁判所
- (行ウ) 第1審訴訟事件
- 高等裁判所
- (行コ) 控訴事件
- 最高裁判所
- (行ツ) 上告事件
- (行ヒ) 上告受理事件
- 地方裁判所
- その他の民事事件
- 地方裁判所
- (ケ) 不動産等に対する担保不動産競売事件
- (ヌ) 不動産等に対する強制執行(強制競売)事件
- (ル) 債権等に対する強制執行(債権差押え)事件
- (リ) 債権差押えにおける事情届に基づく配当等手続事件
- (ヨ) 民事保全事件
- (フ) 破産事件
- (ミ) 会社更生事件
- 地方裁判所
- 刑事事件
- 簡易裁判所
- (い) 略式命令事件
- (ろ) 公判請求事件
- 地方裁判所
- (わ) 公判請求事件
- 高等裁判所
- (う) 控訴事件
- 最高裁判所
- (あ) 上告事件
- 家庭裁判所
- (家) 家事審判事件
- (家イ) 家事調停事件
- (家ホ) 人事訴訟事件
- (少) 少年保護事件
- 簡易裁判所
- 民事事件
- 受付番号:その裁判所で、その年の何番目に受け付けたかを示す番号(1月1日から数える)
したがって、例えば「知的財産高等裁判所平成31年(ネ)第777号」という事件名だとすると、事件が知的財産高等裁判所の平成31年に受け付けた777番目の控訴事件を示すことになります。
あまり裁判に馴染みのない方でも、事件名の付け方の規則性が分かれば、少しは親しみやすくなるのではないでしょうか?
弊所では、特許・意匠・商標等の審決取消訴訟や侵害訴訟の訴訟代理(弁護士と共同)も承っております。
知的財産に関する裁判につきまして、何かありましたら弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。