ベンチャー企業と事業会社とが連携するのに役立つ資料3
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
以前のブログ(ブログ1、ブログ2)で「事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携のための手引き」についてご紹介しましたが、早くも第三版が公表されたので、今回はそれについて書きます。
事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携のための手引き(第三版)はこちら
第三版は、以前の手引きとは異なり、コーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)に焦点をあてたものとなっています。
さて、この第三版の内容ですが、次のような目次となっています。
- はじめに
- 事業会社におけるCVC活動の重要性
概要:
・大手米国企業は、CVCを活用しイノベーションをベンチャー企業から積極的に取り込み、成長の原動力としている
・近年、日本企業のCVC投資額が急増しているが、CVCが日本に根付くか否か、これからが正念場となる - コーポレート・ベンチャリングにおけるCVCの位置付け
概要:
・CVCは、コーポレートベンチャーリングの手法の1つであり、目的から必要性についても検討することが必要である
・CVCによる投資は、本体投資、CVCファンドによる投資、VCへのLP出資に分類でき、使い分けが求められる - CVC推進上の課題と対応策
概要:
・CVC活動を実施している企業に見られる課題を類型化し、次の7つの重要課題を設定。先行企業における各課題への対応策を事例として記載した
“経営との握り”、”目的に応じた投資方針の設定”、”迅速な意思決定の後続の設計”、”事業部門の巻き込み”、”人材・スキル強化”、”ソーシング強化”、”協業の推進” - 先行企業におけるCVC活動事例
概要:
・KDDI株式会社
・株式会社ニコン
・旭化成株式会社 - 関連事業等紹介
この手引きでは、よく見られる問題→問題発生の背景→対応のポイントの流れで、CVCを推進する上で、よく見られる問題に対する対応策がまとめられています。
例えば次のような問題について対応ポイント等が記載されています(P56)。
よく見られる問題:
「大企業といだけで、CVCとしての認知度・評判が低く、ネットワークもなければ、有望なベンチャーには出会えない。」
問題発生の背景:
「ベンチャー・コミュニティ内における認知度・評判が低い」
対応のポイント:
「付加価値の明確化」「評判の形成」「人材強化・VCの活用」
このように、よく見られる問題に対する対応のポイントも記載されています。
CVCを考えている企業の方や、CVCに所属している人は、是非この手引き(第三版)をご覧になってください。
問題解決の糸口が見るかるかもしれませんよ!
なお、弊所では、ベンチャー企業のサポートにも力を入れています。
ベンチャー企業の方のみならず、ベンチャー企業と提携したい事業会社の方で、連携について何かありましたら、是非弊所にご相談ください。
今日は以上です。