デザイン保護に役立つ資料2
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
今回は、近畿経済産業局 知的財産室がまとめた資料(デザインのチカラ、活かし方‐デザインでイノベーションの扉を開く!企業事例集‐)をご紹介します。
「デザインのチカラ、活かし方」はこちら
この資料は、「デザイン」を活かした「イノベーション」を実現するプロセスを明らかにすべく、関西の「デザイン」活用成功企業へのヒアリングを行い、新製品・新サービスが生み出される過程で、「デザイン」がどのように関わってきたのかを集め、類型化してまとめたものとなっています。
さて、この資料の内容ですが次のような目次となっています。
- 本書の活かし方と関西企業15実例からのヒント
- 本書の活かし方 -デザインを活かしたイノベーションを始める
- デザインとは何を意味しているのか、本書の使い方
- 関西企業15実例にみる、デザインのチカラ
- 関西企業15実例の概要
- 関西企業15実例に学ぶ デザインによるイノベーションの具体的ヒント
- 関西企業15実例に学ぶ デザインにより実現した効果別目次
- 関西企業15実例に学ぶ
- 事例1.株式会社ロゴスコーポレーション
- 事例2.タイガー魔法瓶株式会社
- 事例3.株式会社ユニオン
- 事例4.株式会社エンジニア
- 事例5.株式会社ワコール
- 事例6.平安伸銅工業株式会社
- 事例7.原田織物株式会社
- 事例8.株式会社SHINDO
- 事例9.株式会社シャルマン
- 事例10.岩崎工業株式会社
- 事例11.オプテックス株式会社
- 事例12.山本光学株式会社
- 事例13.若井ホールディングス株式会社
- 事例14.株式会社千石
- 事例15.有限会社種村建具木工所
- 専門家の声に学ぶ
- デザイン開発の実践
- 商品企画段階からデザイナーを起用する異議
- デザイン・バリエーションと権利
- デザインノートでデザイン環境の活性化を
- 紛争発生時の対応とその予防について
この資料は70ページ近くあり、なかなか読み応えのあるものとなっていますが、この資料の面白いところは、製品やサービスの開発における「デザイン」とは何をするかという点について次のようにまとめているところです。
- 課題を「把握」し、解決方法を「企画」すること
- 企画を実行に移すための「体制」や「方針や目標」を作ること
- 企画を実行するための「材料」を集め、「技術」を生み出し「試行」すること
- 製品やサービスにするために「量産」できるものに「造形」すること
- 製品やサービスの内容を伝えることができるように「装飾」すること
- 製品やサービスの「価値」と「寿命」を見極めること
- 製品やサービスを流通させるための「販路」を確保すること
- 新しい製品やサービスを「広告」する方法と手段、内容を設計すること
- 製品やサービスを「実施」して課題を解決しているかを「評価、検証」すること
- 評価に応じて製品やサービスの「改善」をすること
これを見ると、この資料における「デザイン」は、一般的なデザイン(意匠)の概念ではなく、製品開発そのものを「デザイン」することを意味すると思われます。
上記のことを初めから行うことは難しいかもしれませんが、この資料には、実践している企業の実例が解説されています。
これらの企業の実例を読んで、自分の会社の『製品やサービスの開発における「デザイン」』に活用してみては如何でしょうか?
弊所では、意匠登録出願だけではなく、特許・商標を含めた知的財産の権利化・活用まで一貫したサポートを行っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。