ハーグ協定のジュネーブ改正協定に関するQ&A
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
意匠の国際登録制度(国際意匠登録出願制度)について定めるハーグ協定のジュネーブ改正協定に関するQ&Aが特許庁から公表されていますので、今回はそれについて書きます。
国際意匠登録制度は、2015年5月13日に始まり、既に4年近く運用されています。
この期間中に問い合わせの多かった質問に対して、このQ&Aが作られたのかもしれません。
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さて、このQ&A集ですが、次の4つに分類されています。
- ハーグ協定のジュネーブ改正協定の制度等に関する質問
- 国際出願の願書に関する質問
- 指定官庁としての日本国特許庁における手続に関する質問
- WIPO国際事務局への手続に関する質問
国際意匠登録出願制度は、現時点ではそれほど使われていないので、書式的な問い合わせよりも、制度自体に関する問い合わせの方が多いと思います。
このQ&Aでは、1の「ハーグ協定のジュネーブ改正協定の制度等に関する質問」として、次のものが記載されています。
- ハーグ協定とはどのような制度ですか。この制度を利用すれば海外で広く意匠権を取得することができますか。
- ハーグ協定のジュネーブ改正協定の制度を利用する国際出願は、個別に海外へ直接出願する場合と比べどのようなメリットがありますか。
- ハーグ協定の加盟国を教えてください。
- 意匠の国際登録の存続期間は何年ですか。
- 国際出願に使用できる言語は何語ですか。
- 国際出願に含まれる意匠の分類は何分類を使用しますか。
- ハーグ協定のジュネーブ改正協定の制度を利用するには、商標のマドリッド制度のように基礎出願や基礎登録は必要ですか。また、事後指定はできますか。
- 指定締約国の国際出願手続に関する情報を知りたいのですが、どこから入手できますか。
- 国際出願は直接WIPO国際事務局に提出することができますか。
- WIPO国際事務局へのインターネット出願(E-Filingシステム)と、日本国特許庁を通じた間接出願のメリットは何ですか。
- 国際出願後の流れを教えてください。
国際出願日と国際登録日はどう違いますか。 - 間接出願(日本国特許庁に出願書類を提出)をする場合、出願日はいつになりますか。
- 出願日が繰り下がる不備とは、どのようなものですか。
- 国際出願にかかる手数料の計算方法を教えてください。
- 出願時にWIPO国際事務局に納付する指定手数料には登録料が含まれますか。
- 国際出願にかかる手数料は、いつ・どこに支払えばよいですか。
- 銀行の送金手数料にはどのようなものがありますか。
- 国際手数料を多く払い込んでしまいました。返還手続について教えてください。
- WIPO国際事務局から国際登録証が送付されました。指定した全ての締約国で意匠権が保護されたということですか。
- ハーグ出願において国際公表がされると、出願人/代理人には何か通知が届きますか。
- 出願からどのくらいの期間で意匠権が発生しますか。
これらを見ると、国際意匠登録出願制度に関して、初心者が思い浮かべるほとんどの質問が含まれているのではないでしょうか?
ちなみに、「ハーグ協定とはどのような制度ですか。」という質問に対しては、「ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく意匠の国際登録制度とは、WIPO 国際事務局への1つの出願手続で、複数国(締約国)に同時に意匠出願した場合と同様の効果が得られる制度です。」という回答になっています。
このように、分かり易い回答も記載されています。
国際意匠登録出願制度について疑問がありましたら、まずこのQ&Aに当たってみることをお勧めいたします。
弊所では、意匠の国際登録制度の代理業務も行っております。
外国での意匠権取得や、意匠の国際登録制度について何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。