意匠審査基準の一部が改訂されました(2019)
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
一昨年、昨年に引き続き、今年も意匠審査基準の一部が改訂されたので、今回はそれについて書きます。
一部改訂された意匠審査基準はこちら
さて、今回の改訂では、国際意匠登録制度や外国の意匠制度との調和を図るために、図面の要件の緩和が行われました。
具体的には意匠審査基準のうち、主に次のような部分が改訂されました。
- 第2章 意匠登録出願に係る意匠の認定
- 21.1.2 意匠が具体的なものであること
- 51.1.2.2 意匠ごとに出願されていないものの例
- 61.1.1 意匠法第9条第1項又は第2項の規定の適用の対象となる意匠登録出願
- 61.1.5 部分意匠と部分意匠の類否判断
- 61.1.6 全体意匠と部分意匠の類否判断
- 71.2.1 部分意匠の意匠登録出願における願書の記載事項
- 71.2.2 部分意匠の意匠登録出願における図面等の記載
- 71.3 部分意匠の意匠登録出願に係る意匠の認定
- 71.4.1.1.5 一定の範囲を占める部分であること
- 71.4.1.2 意匠が具体的なものであること
- 71.9 部分意匠の意匠登録出願に関する意匠法第9条及び第10条の規定
- 71.9.2 全体意匠と部分意匠の類否判断
- 71.10.3 願書の記載についてした補正の具体的な取扱い
- 71.10.4 願書に添付した図面等についてした補正の具体的な取扱い
- 71.13 パリ条約による優先権等の主張を伴う部分意匠の意匠登録出願
- 72.1.1.2 構成物品が適当であること
- 72.1.2 組物の意匠に係る部分意匠
- 74.2.1 画像を含む意匠の意匠登録出願における願書の記載事項
- 82.1.2.1.3 意匠登録を受けようとする範囲を変更する場合
- 101.3.3 優先権証明書の添付図面において意匠登録を受けようとする意匠の物品全体の形態が表されていない場合について
- 101.3.3.1 物品全体の形態が表された意匠を我が国への意匠登録出願の意匠とした場合
- 101.3.3.2 我が国への意匠登録出願に係る意匠を優先権証明書記載の意匠において具体的形態が表されていた部分について意匠登録を受けようとする部分とし、表されていない部分をそれ以外の部分とする部分意匠の出願とした場合
- 118.1.1.1 部分意匠の国際意匠登録出願に係る願書の記載
- 118.1.3.1.2 意匠が具体的なものであること
- 118.1.9.3 国際意匠登録出願に係る願書の記載についてした補正の具体的な取扱い
- 122.1 意匠登録出願に係る意匠の認定
- 122.4.2 出願人との意思疎通の確保
- 別添 組物の構成物品表の例
このように、改訂事項は多岐にわたりますが、ほとんどの改訂点は、今まで「意匠が具体的ではない」とされていたものを救済するためのものになります。
実務的には、従来とほとんど変わらないと思いますが、意匠法3条1項1号柱書等の要件を満たさないという拒絶理由通知がなされた場合に、今回の改正審査基準を参照して、その拒絶理由を回避することができないか検討することになるのではないかと思います。
弊所では、意匠審査基準に基づいた意匠登録出願の出願代理も承っております。
意匠登録出願について何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。