消費者契約法が改正されました(2018)
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
以前のブログに改正消費者契約法のパブコメについて書きましたが、そのパブコメを経て、今年(平成30年)6月15日に、改正消費者契約法が成立しましたので、今回はこれについて書きます。
改正消費者契約法の概要はこちら
さて、今回の改正ですが、主な改正内容は次のようになっています。
(なお、今回の改正消費者契約法は、2019年6月15日に施行される予定となっています。)
- 取り消しうる不当な勧誘行為の追加等
- 社会生活上の経験不足の不当な利用
- 不安をあおる告知
- 恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用
- 加齢等による判断力の低下の不当な利用
- 霊感等による知見を用いた告知
- 契約締結前に債務の内容を実施等
- 不利益事実の不告知の要件緩和
- 社会生活上の経験不足の不当な利用
- 無効となる不当な契約条項の追加等
- 消費者の後見等を理由とする解除条項
- 事業者が自分の責任を自ら決める条項
- 事業者の努力義務の明示
- 条項の作成:解釈に疑義が生じない明確なもので平易なものになるよう配慮
- 情報の提供:個々の消費者の知識および経験を考慮した上で必要な情報を提供
商品販売やサービス提供を行っている事業者の場合には、実際に行っている勧誘方法が、1の「取り消しうる不当な勧誘行為の追加等」に該当するか否かが重要になると思います。
一方、消費者との間でライセンス契約を締結している企業の場合には、自社の契約書の中に2の「無効となる不当な契約条項の追加等」に該当する条項があるかないかが重要になります。
無効となる不当な契約条項の追加等に該当する条項例としては、次のような条項が挙げられています。
改正消費者契約法に関する各改正事項の概要はこちら
『会員が、以下のいずれかの項目に該当する場合、サー ビス提供者は、直ちに会員資格を取り消すことができ る。
(中略)
成年被後見人の宣告や申立てを受けたとき。』
『当社が過失のあることを認めた場合に限り、当社は 損害賠償責任を負うものとします。』
ライセンス契約書等の中には、上記のような条項が規定されているものもあるのではないかと思いますが、今回の改正法が施行されると、このような条項も無効とされる可能性があります。
消費者とのライセンス契約を結ぶようなビジネスを行っている企業は、改正消費者契約法を考慮し、契約書について再確認することをお勧めいたします。
今回の法改正が反映された逐条解説書が販売されました。
契約書の内容によっては、思わぬ損害を被る可能性があります。
弊所では、消費者契約法も考慮したライセンス契約書の作成・チェック等も承っております。
ライセンス契約書について何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。
追記:逐条解説書の情報を追加(2019/9/1)