模倣品・海賊版対策の相談業務に関する年次報告(2018年版)が公表されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
経済産業省から、模倣品・海賊版対策の相談業務に関する年次報告(2018年版)が公表されましたので、今回はそれについて書きます。
模倣品・海賊版対策の相談業務に関する年次報告(2018年版)はこちら
この報告書は、「知的財産推進計画2005」において、 政府模倣品・海賊版対策総合窓口に関する年次報告書を作成することが明記されたことに基づいて毎年公表されるもので、今回は2018年版になります。
さて、この報告書の内容ですが、次のような目次になっています。
【本編】
- 相談業務の状況
- 海外侵害状況調査制度について
- 情報提供の取組
【別添】
- 模倣品・海賊版による被害の状況
- 模倣品・海賊版被害の概観
- 中国の模倣品・海賊版被害
- インターネット上の模倣品・海賊版被害の状況
- 日本政府・産業界の取組
- 日本政府の取組
- 日本産業界の取組
- 海外の動向
- 米欧の動向
- 中国政府の動向
- その他の国・地域の動向
今回の報告書のポイントは、次の図から分かるように、相談件数が過去最大になったことです。この理由としては、ある商品を購入・輸入等をしようとする事業者が、その商品の購入等が権利侵害に該当するのかどうかといった内容の相談が増加しているからと分析されています。
知的財産権についての理解が深まり、模倣品等を購入する前にその危険性について確認しようとする人が増えてきているのかもしれません。
次に、相談内容としては、国内での商標や商号の使用に関するものが多いようで、この報告書では、「必ずしも模倣品の製造国が日本であるという内容ではない点に留意が必要です」と注意を促しています。
ちなみに、模倣品の製造国・地域が判明しているものの中では、次の図に示すように、やはり中国(香港を含む)が全体の6割以上を占めているようです。
中国からの模倣品対策は、まだまだ必要になりそうです。
具体的な模倣品・海賊版の現状については、別添に詳しく記載されているので、模倣品・海賊版に悩まされている企業は、この報告書の本編と共に別添も読んでみてください。
模倣品・海賊版対策のきっかけが掴めるかもしれません。
ただ、この報告書にも、「一般的に模倣品業者は、正面切って権利者や執行 当局とは争いたくはないので、模倣品・海賊版対策が手薄な企業ほどターゲットとなりやすく、模倣品対策にしっかりと取り組んでいる企業ほど模倣被害が少ないと言われています」と記載されています。
模倣品・海賊版のターゲットにならないようにするために、日頃からこれらの対策に力を入れていった方がよいのではないでしょうか?
弊所では、模倣品・海賊版対策のご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。