2018年度も知財ビジネス評価書作成支援制度があります
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
昨年度に引き続き、今年度も知財ビジネス評価書を無料で作成してもらえる知財ビジネス評価書作成支援制度があり、募集が始まりましたので、今回はそれをご紹介します。
知財金融ポータルサイトの公募情報によると、平成30年6月11日~平成30年12月末まで募集しています。
ただし、採択予定件数が220件程度なので、上記期間中であっても採択予定件数に達した場合には、募集を中止するかもしれませんので注意してください。
まず、知財ビジネス評価書がどのようなもので、これを作成するとどのようなメリットがあるか分からない方もいると思いますので、簡単に説明いたします。
知財ビジネス評価書とは、中小企業の知的財産を活用したビジネスを評価し「見える化」することで、地域金融機関からの融資等につなげるため、中小企業の知的財産を活用したビジネスを評価する書類です。
具体的にはどのような書類かというと、例えば次のような項目が記載されたものになります。
- 対象会社及び事業に関する事項
- ・会社概要及び事業概要
- 技術及び特許の解説
- 製品及びサービス
- 財務の状況、業績の推移
- 知財に関する事項
- 知財の状況
- 保有する知財(特許、実用新案、意匠、商標)
- 市場及び競合に関する事項
- 市場の動向
- 競合の状況
- 事業計画
- まとめ
- 事業価値及び知財価値
- 事業上の課題及び知財上の課題
- 総合評価
知財ビジネス評価書のサンプルは、このWebページからダウンロードできるようになっています。
この知財ビジネス評価書を取得するメリットとしては、地域金融機関から融資が受け易くなるとされていますが(それを目的にこの支援制度も作られています)、知財ビジネス評価書があれば融資が実際に受けやすくなるかどうかはよく分かりません。
ただ、知的財産の側面から自社のビジネスを客観的に評価してもらうことは、今後の事業戦略や知的財産戦略を構築する上で非常に役立つのではないでしょうか?
次に、この知財ビジネス評価書作成支援制度にどのように申請すればよいかという点ですが、実はこの支援制度は企業側から申請することができません。
実際には、下図に示すように、対象企業をサポートする金融機関がこの支援制度に申請するという流れになっています。
この支援制度の目的が、「中小企業の知的財産を活用したビジネスを評価し「見える化」することで、地域金融機関からの融資等につなげる」ことであるので、この手続きの流れは仕方がないのかもしれません。
したがって、知財ビジネス評価書を作成してもらいたい企業は、まず支援を受けている地域金融機関に相談してみてください。
ちなみに、この支援制度を活用した実績がある金融機関は、このWebページを見れば分かりますよ!
弊所でも知財ビジネス評価書作成のサポートをしております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。