農業はノウハウのカタマリだってご存知でした?
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
農林水産省が、平成30(2018)年3月12日に、農業分野の生産技術やノウハウ等の知的財産としての価値や重要性を農業者や農業関係者に広く普及・啓発するためのパンフレットを公表したので、今回はそれについて書きます。
このパンフレットは、「農を守り活用して農業をビジネスに。」というもので、農林水産省が行ったアンケート調査の結果に基づいて作成されました。
内容は、まさしく農業分野の生産技術やノウハウ(農ハウ)等の知的財産としての価値や重要性を農業者や農業関係者に広く普及・啓発するためのものとなっており、上記のアンケート結果を含めて次のような内容が記載されています。
- そもそも「知的財産」って何ですか?
- 多くの経営体が農ハウをもっています。
- 農ハウの多くは、農業者の皆さんが自ら開発されたものです。
- 多くの方が、農ハウを地域内の農業従事者で共有しています。
- 農ハウが財産的価値を有する可能性があることを認識している人も多くいます。
- 一方で、農ハウを管理している経営体はさほど多くありません。
- 農ハウをめぐるこんなトラブルが起こるかも
- 個々の農家のトラブル
- 先進的な農業経営者のトラブル
- 地域ブランド形成をめざす生産組合でのトラブルお
- 公設試験研究機関・自治体でのトラブル
- 農ハウを見えるかしてビジネスに!
- 農ハウを契約でしっかり管理!
- もっと深く!
- 農ハウの営業秘密としての保護
- オープン&クローズ戦略
- 秘密保持契約について
- さいごに
ところどころに、グラフやイラスト等が散りばめられており、知的財産に慣れていない方にも分かり易い内容になっていると思います。
特に、農業現場でも様々なノウハウがあるということで、次のようなことを挙げています。
- 引き継がれてきた栽培方法
- 施肥のタイミング
- 効率的な耕耘方法
- 土づくりの工夫
- 自分で編み出した肥料の量とバランス
- 植物の品種
- 蓄積された栽培データ
- 顧客リスト・取引先情報
- 地域の人的ネットワーク
私の実家も農家なので少しは分かるのですが、確かに施肥のタイミングや土づくりの工夫等は各農家が独自のものを持っていると思います。
今後、農業は世界的な競争に巻き込まれていく可能性があります。
自分(自社)の競争力がどこにあるのか確認し、それを活用していくことが求められるのではないでしょうか?
特に、生産者はその競争力の源泉が農ハウ(ノウハウ)にあることが多いのではないかと思います。
是非、このパンフレットを読んで、自分(自社)がどのような知的財産を持っているのか確認されてみては如何でしょうか?
弊所では、このパンフレットに書かれている、①農ハウの営業秘密としての保護、②オープン&クローズ戦略、③秘密保持契約に関するご相談も承っております。
これらに関して何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。