金融機関の方に役立つ知的財産に関する資料2
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
以前のブログで、入門編である「金融機関職員のための知的財産活用のススメ ~知財を切り口とした企業の実態把握~」をご紹介しましたが、今回は、その応用編になる資料(金融機関職員のための知的財産活用のススメ 知財の情報を活用した企業の実態把握・支援の組織展開)をご紹介します。
この資料も、特許庁が企画し、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が編集(作成)したものです。
この資料ですが、知的財産活用に関して、各営業職員による個別企業への営業・提案に留まらず、金融機関内で組織的に知財金融への取組を企画・添加するための制度・ツールを解説するために作成されたようです。
さて、この資料ですが、次のような目次となっています。
- サマリー
- 企画部門 知財を切り口とした実態把握のためのコミュニケーションツール
- 融資審査部門 知財を切り口に収集・ヒアリングした情報の融資判断への活用ツール
- 成長支援・地域連携部門 知財関連の支援機関連携による本業支援の仕組み
- 人材開発部門 知財金融に関する人材育成施策
- 金融機関において知財金融の組織的展開を促進するための制度・支援機関活用
- 参考 特許庁「中小企業知財金融促進事業」における「知財ビジネス評価のあり方」
内容を読むと、この資料では、知的財産に関して、金融機関内の各部門ごとに活用できる制度やツールの存在およびその活用方法が簡潔に解説されています。
例えば、企画部門に関しては、J-PlatPatを活用して「取引先企業の知財一覧」「取引先企業の個別の知財情報」「製品の特長検索の一覧」等を入手し、事業理解シートを作成する方法が記載されています。
もちろん、事業理解シートがどのようなものかも例を挙げて説明しています。
また、融資審査部門に関しては、知財を切り口に取引先企業のビジネスモデルを把握し、将来性・リスクを判断するための非財務情報シートを作成する方法が記載されています。
成長支援・地域連携部門に関しては、取引先企業の本業支援に関する知財関連の支援機関との連携、具体的には、知財総合支援窓口との連携の方法が記載されています。
そして、人材開発部門に関しては、知財金融に関するスキルアップ研修(Off-JT)と現場指導(OJT)の実施方法が記載されています。
なお、知財に関する専門知識を有する研修講師が内部に不在の場合には、特許庁から産業財産権専門官を講師派遣できることも説明されています。
このように、本資料には、金融機関の各部門において、知的財産の活用方法が具体的に記載されています。
知財金融に関する入門編に記載されていることよりも、より深く知財の活用方法を知りたい方は、是非この資料を読んでみてください。
今までとは違った企業支援ができるようになるかもしれません。
なお、弊所では、銀行、信用金庫、信用組合等の金融機関の方向けのJ-PlatPat等の使い方に関するセミナー等も承っています。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。