特許の出願審査着手時期の見通し(2018)
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
以前のブログで、商標登録出願や意匠登録出願がいつ頃審査されるか分かることをご紹介しましたが、特許についても同様に審査時期を知ることができるので、そのことについて書きます。
特許出願は、商標登録出願や意匠登録出願と異なり、審査官に審査してもらうためには出願日から3年以内に審査請求を行う必要があります。
ところが、審査請求をいつするかしないかは出願人次第となっています。
したがって、商標登録出願や意匠登録出願のように、特許庁はいつ頃審査されるかを一律に把握することができません。
そこで、審査未着手出願のうち、所定の期間中に審査を着手する予定の案件がまとめて公表されています。
特許審査着手見通し時期照会のWebページはこちら
以前は、特許審査着手見通し時期照会用パスワードが無ければ、自身が関与している特許出願の着手見通し時期データをダウンロードすることができませんでした。
ところが、2018年1月より、 審査未着手出願のうち、半年以内に着手予定のすべての案件(見通し時期リスト:EXCELファイル)をダウンロードできるようになりました。
なお、見通し時期リストには次のようなデータが含まれています。
- 更新フラグ
- 着手見通し時期
- 出願人名
- 出願番号
- 担当技術単位
- 審査グループ
- 公開番号
- 指定分類
- テーマコード
- 審査請求日
- 優先基礎
- 分割出願
- 発明者氏名
- 発明の名称
- 代理人氏名
- 願書記号
- 出願人コード
- 西暦出願番号
上述したように、以前は、自分が関与している特許出願のデータしか入手することができませんでしたが、今後はすべての特許出願のデータを入手することができます。
ということは、自社製品の脅威になりそうな特許出願の審査時期を把握することができ、場合によっては、適切な時期に情報提供※を行うことによって、その特許出願の権利化を阻止することができるようになります。
この見通し時期リストを戦略的に活用してみませんか?
弊所では、知的財産をどのように活用すればよいか等の知的財産戦略のご相談や、情報提供の手続代理も承っております。
何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。
※情報提供とは、特許出願に係る発明が特許を受けることができない旨を示すために、その特許出願に関連する刊行物等の情報を特許庁に提供することができる制度である。
※特許審査着手見通し時期照会の方法が変更になったので、リンクを削除(2021/12/26)