パブリックドメインになった小説2018

パブリックドメインになった小説2018

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、昨年に引き続き、2017年で著作権の保護期間が終了し、パブリックドメインになった小説について書きます。本のイラスト

今年も青空文庫は、2018年1月1日に、次の作家29人の作品(作業中の作品を含む)を公開しました。
(著作権は、原則著作者の死後50年を経過した時に消滅します。しかし、著作権が消滅する日は死後50年を経過した年の12月31日となっているため、次の年の1月1日からその著作物を自由に利用することができるようになります。)

  • 鮎川義介「革命を待つ心」
  • 井沢衣水「本州横断 痛快徒歩旅行」
  • 勝本清一郎「カフェー」「蔵書帰る」
  • 金沢庄三郎「『辞林』緒言」
  • 木村荘十「雲南守備兵」
  • 窪田空穂「秋の第一日」「遺愛集 01 序」「冬至の南瓜」「わが文学体験」
  • 島秋人「遺愛集」
  • 新村出「鴨川を愛して」「『言苑』序文」「『言苑』跋」「『言林』改訂版の序」
    「『言林』自序」「『言林』新版序」「『言林』跋」「『広辞苑』後記」
    「『国語博辞典』序文」「『辞苑』自序」「『辞苑』跋」「『小言林』あとがき」
    「『小言林』序文」「『新辞泉』序文」「『大言海』後記」「『大言海』序」
  • 薄田太郎「広島という名の由来」
  • 恒藤恭「学生時代の菊池寛」
  • 壺井栄「二十四の瞳」「柿の木のある家」「大根の葉」「母のない子と子のない母と」「一つ身の着物」
  • 時枝誠記「国語学と国語教育」「国語学と国語教育との交渉」
  • 富田常雄「転がり試合 柔道と拳闘の」「刺青」「面」
  • 中村清太郎「残雪の幻像」「ある偃松の独白」「山岳浄土」
  • 野上彰「本因坊秀哉」「幼き歌」「前奏曲」
  • 早川鮎子「穂高岳屏風岩にて」
  • 菱山修三「再びこの人を見よ」「懸崖 詩集」
  • 秘田余四郎「字幕閑話」
  • 三宅周太郎「中村梅玉論」「続文楽の研究」「文楽の研究」
  • 森於菟「放心教授」「屍体異変」「日清戦役後」
  • 矢崎源九郎「絵のない絵本」「すずの兵隊さん」「空とぶトランク」
    「ナイチンゲール」「「ニールスのふしぎな旅 下」まえがき」
    「「ニールスのふしぎな旅 上」まえがき」「ニールスのふしぎな旅」
    「人魚の姫」「みにくいアヒルの子」「モミの木」
  • 柳原白蓮「私の思い出」「地平線」「踏絵」
  • 矢部貞治「政治学入門」
  • 山浦貫一「老人退場説」
  • 山本周五郎「青べか物語」「青竹」「青べか日記」「赤ひげ診療譚 01 狂女の話」
    「赤ひげ診療譚 02 駈込み訴え」「赤ひげ診療譚 03 むじな長屋」
    「赤ひげ診療譚 04 三度目の正直」「赤ひげ診療譚 05 徒労に賭ける」
    「赤ひげ診療譚 06 鶯ばか」「赤ひげ診療譚 07 おくめ殺し」「赤ひげ診療譚 08 氷の下の芽」
    「秋の駕籠」「朝顔草紙」「薊」「葦」「足軽奉公」「葦は見ていた」「あすなろう」「あだこ」
    「あとのない仮名」「雨あがる」「雨の山吹」「荒法師」「あんちゃん」「いさましい話」
    「いしが奢る」「石ころ」「一人ならじ」「壱両千両」「凍てのあと」「薯粥」「入婿十万両」
    「鵜」「うぐいす」「嘘アつかねえ」「裏の木戸はあいている」「栄花物語」「似而非物語」
    「榎物語」「艶書」「追いついた夢」「扇野」「御馬印拝借」「大炊介始末」「おかよ」
    「おごそかな渇き」「おさん」「お繁」「おしゃべり物語」「おたは嫌いだ」「おたふく物語 妹の縁談」
    「おたふく物語 おたふく」「おたふく物語 湯治」「落ち梅記」「落葉の隣り」「落武者日記」
    「おばな沢」「お美津簪」「思い違い物語」「おもかげ」「おもかげ抄」「和蘭人形」「おれの女房」
    「女は同じ物語」「かあちゃん」「改訂御定法」「柿」「笠折半九郎」「花杖記」「主計は忙しい」
    「蒲生鶴千代」「其角と山賊と殿様」「菊千代抄」「菊月夜」「菊屋敷」「季節のない街」「狐」
    「金五十両」「暗がりの乙松」「内蔵允留守」「桑の木物語」「喧嘩主従」「源蔵ヶ原」
    「「こいそ」と「竹四郎」」「恋の伝七郎」「上野介正信」「紅梅月毛」「古今集巻之五」
    「虚空遍歴」「五瓣の椿」「こんち午の日」「柘榴」「避けぬ三左」「山茶花帖」「さぶ」
    「寒橋」「さるすべり」「三十二刻」「三十ふり袖」「三年目」「しじみ河岸」「蜆谷」「失蝶記」
    「しづやしづ」「失恋第五番」「失恋第六番」「霜柱」「饒舌りすぎる」「十八条乙」「秋風不帰」
    「醜聞」「修行綺譚」「しゅるしゅる」「殉死」「将監さまの細みち」「蕭々十三年」「正雪記」
    「正体」「城中の霜」「初夜」「真説吝嗇記」「新潮記」「末っ子」「歔欷く仁王像」「須磨寺附近」
    「青嵐」「戦国会津唄」「槍術年代記」「粗忽評判記」「その木戸を通って」「滝口」「だだら団兵衛」
    「楯輿」「溜息の部屋」「だんまり伝九」「ちいさこべ」「違う平八郎」「契りきぬ」「ちくしょう谷」
    「竹柏記」「茶摘は八十八夜から始まる」「ちゃん」「超過勤務」「椿説女嫌い」「月の松山」
    「月夜の眺め」「鼓くらべ」「燕」「つばくろ」「鍔鳴り平四郎」「壺」「妻の中の女」
    「梅雨の出来事」「つゆのひぬま」「釣忍」「鶴は帰りぬ」「伝四郎兄妹」「天地静大」
    「討九郎馳走」「峠の手毬唄」「逃亡記」「土佐の国柱」「年の瀬の音」「留さんとその女」
    「鳥刺しおくめ」「砦山の十七日」「泥棒と若殿」「ながい坂」「長屋天一坊」「夏草戦記」
    「七日七夜」「並木河岸」「なんの花か薫る」「彩虹」「日本婦道記 阿漕の浦」
    「日本婦道記 壱岐ノ島」「日本婦道記 糸車」「日本婦道記 梅咲きぬ」「日本婦道記 尾花川」
    「日本婦道記 おもかげ」「日本婦道記 髪かざり」「日本婦道記 菊の系図」「日本婦道記 郷土」
    「日本婦道記 笄堀」「日本婦道記 小指」「日本婦道記 忍緒」「日本婦道記 障子」
    「日本婦道記 萱笠」「日本婦道記 墨丸」「日本婦道記 竹槍」「日本婦道記 二十三年」
    「日本婦道記 花の位置」「日本婦道記 春三たび」「日本婦道記 風鈴」「日本婦道記 襖」
    「日本婦道記 二粒の飴」「日本婦道記 不断草」「日本婦道記 頬」「日本婦道記 松の花」
    「日本婦道記 蜜柑畑」「日本婦道記 桃の井戸」「日本婦道記 箭竹」「日本婦道記 藪の蔭」
    「日本婦道記 雪しまく峠」「日本婦道記 横笛」「忍術千一夜 第一話 艶妖記」
    「忍術千一夜 第二話 三悪人物語」「人情裏長屋」「抜打ち獅子兵衛」「寝ぼけ署長 海南氏恐喝事件」
    「寝ぼけ署長 毛骨屋親分」「寝ぼけ署長 最後の挨拶」「寝ぼけ署長 新生座事件」
    「寝ぼけ署長 十目十指」「寝ぼけ署長 中央銀行三十万円紛失事件」「寝ぼけ署長 一粒の真珠」
    「寝ぼけ署長 眼の中の砂」「寝ぼけ署長 夜毎十二時」「寝ぼけ署長 我が歌終る」
    「合歓木の蔭」「凌霄花」「野分」「橋の下」「はたし状」「肌匂う」「ばちあたり」
    「鉢の木」「初午試合討ち」「初蕾」「花咲かぬリラ」「花匂う」「花筵」「花も刀も」「花宵」
    「春いくたび」「晩秋」「蛮人」「半之助祝言」「半化け又平」「彦左衛門外記」「美少女一番乗り」
    「備前名弓伝」「ひとごろし」「ひとでなし」「火の杯」「日日平安」「百足ちがい」
    「ひやめし物語」「豹」「評釈勘忍記」「屏風はたたまれた」「貧窮問答」「夫婦の朝」
    「風流太平記」「風流化物屋敷」「深川安楽亭」「蕗問答」「梟谷物語」「武家草鞋」「武道無門」
    「武道宵節句」「無頼は討たず」「古い樫木」「平安喜遊集 牛」「平安喜遊集 地蔵」
    「平安喜遊集 大納言狐」「平安喜遊集 偸盗」「平安喜遊集 もののけ」「兵法者」
    「へちまの木」「法師川八景」「暴風雨の中」「ほたる放生」「誉れの競べ矢」「ぼろと釵」
    「本所霙河岸」「枕を三度たたいた」「孫七とずんど」「枡落し」「町奉行日記」「松風の門」
    「松林蝙也」「身代り金之助」「蜜柑」「みずぐるま」「水たたき」「水の下の石」「水戸梅譜」
    「むかしも今も」「麦藁帽子」「明暗嫁問答」「めおと蝶」「めおと鎧」「樅の木は残った 01 第一部」
    「樅の木は残った 02 第二部」「樅の木は残った 03 第三部」「樅の木は残った 04 第四部」
    「柳橋物語」「藪落し」「やぶからし」「山だち問答」「山椿」「山彦乙女」「山女魚」
    「夕靄の中」「ゆうれい貸屋」「雪と泥」「雪の上の霜」「ゆだん大敵」「夜明けの辻」
    「宵闇の義賊」「陽気な客」「義経の女」「よじょう」「四日のあやめ」「四人囃し」
    「四年間」「嫁取り二代記」「夜の辛夷」「夜の蝶」「楽天旅日記」「蘭」「若き日の摂津守」
    「若殿女難記」「わたくしです物語」「渡の求婚」
  • 吉田茂「私は隠居ではない」「新憲法の解説 01 序」
  • 吉野秀雄「秋艸道人の書について」「長谷川等伯の「松林図屏風」」「ひとの不幸をともにかなしむ」
  • 淀野隆三「思ひ出づるまゝに」「横光さんと梶井君」
  • 笠信太郎「デモクラシーのいろいろ」

なお、これらの小説データを読みやすくする方法はこちら

このような小説が誰の気兼ねもなく自由に(無料で)読めるなんて本当にすごいですね!

ところで、日EU経済連携協定(日EU EPA)が発効されると、著作権の保護期間が延長(著作者の死後70年等)されるようです。

もしかすると、2020年以降は、しばらくの間(20年間)はパブリックドメインとなる小説が無くなるかもしれません。
(2018年度中に日EU EPAが締結され、それに伴う改正著作権法が適用されないことが前提です。現時点(2018年1月)では、著作権法は改正されていません。)

注)TPP11の発効により、2018年12月30日に改正著作権法が施行され、著作権の保護期間は延長(著作者の死後70年等)されることになりました。

国家間の条約が身近なところにも影響するという1つの事例になりそうです。

弊所では、著作権の登録・ライセンス契約等についても取り扱っております。
著作権について何かありましたら、是非ご相談ください。

今日は以上です。

追記:TPP11の発効による影響を追加(2018/11/7)

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