知財ビジネス評価書をご存知ですか?
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
いきなりですが、「知財ビジネス評価書」をご存知ですか?
あまり知られていないかもしれませんが、知財ビジネス評価書とは、中小企業の知的財産を活用したビジネスを評価し「見える化」することで、地域金融機関からの融資等につなげるため、中小企業の知的財産を活用したビジネスを評価したものです。
「知財ビジネス評価書の解説」によると、地域金融機関は、企業とのコミュニケーションツールや本業支援を行うための材料として利用することを想定しているようです。
さて、この知財ビジネス評価書の活用方法ですが、知財金融ポータルサイトには、次の活用事例が掲載されています。
- 名古屋銀行が、株式会社キョーイクに対し、同社が保有する商標権(メディカルラボ)のブランド力に着目し、評価書を活用した事業性評価による融資を実施
- 新湊信用金庫が、株式会社呉松に対し、保有技術(特許等)や事業の市場性・将来性等の評価を行い、成長著しい同社の資金需要に対応すべく、創業・育成&成長ファンド「しんきんの翼」(信金キャピタル株式会社)との協調融資を実施
- 商工組合中央金庫四日市支店が、日本ケミカル工業株式会社に対し、同社が保有する特許等の評価を行い、運転資金5千万円の融資を実施
- 岩手銀行高松支店が、株式会社アイカムス・ラボの持つ特許等の評価を行い、運転資金3千万円の融資を実施
- 名古屋銀行が、木下精密工業株式会社に対し、同社の事業内容に着目し、評価書を作成、分析結果に基づいた事業性評価による融資を実施
まだまだ活用事例が少ないようですが、技術力やブランド力があるにもかかわらず、地域金融機関からなかなか融資を受けることができない企業は、知財ビジネス評価書を活用してみては如何でしょうか?
ところで、知財ビジネス評価書を作成するにはそれなりの費用がかかると思いますが、現在(2017年6月27日)、特許庁が知財ビジネス評価書支援の応募を受付ています。
これに採択されれば、無料で評価書を作成してもらえるようです。
知財ビジネス評価書に興味のある企業は、この機会に是非活用してみてください!
ただ、応募できるのは地域金融機関だけのようですので、まずは取引銀行に相談ということになります。
知財ビジネス評価書が今後普及して行くかは不明ですが、面白い取り組みではないでしょうか?
今日は以上です。