店舗の外観が似ているとして差止請求訴訟が提起された事例
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
以前のブログで、店舗の外観と内装が似ているとして店舗使用禁止の仮処分命令が出された事例をご紹介しましたが、今回は仮処分ではなく、差止請求訴訟が提起された事例について書きたいと思います。
株式会社ヨシックスのプレスリリースによると、SPFダイニング株式会社に対し、不正競争行為差止請求訴訟を名古屋地方裁判所に提起したとのことです。
その理由は、SPFダイニング株式会社が経営する「磯丸すし」は株式会社ヨシックスが経営する「や台ずし」の外観を模倣しており、「磯丸すし」が「や台ずし」との誤解を与えかねないというものです。
すなわち、「磯丸すし」の外観が、「や台ずし」の外観と似ているので、お客様が「や台ずし」だと勘違いして「磯丸すし」に行ってしまうからという理由です。
ちなみに、上記のプレスリリースからでは、不正競争法に規定するどの不正競争行為に該当すると主張しているか分かりませんが、たぶん2条1項1号の混同惹起行為か、2条1項2号の著名表示冒用行為のどちらかでないかと思います。
以前のブログにも書きましたが、以前はお店の外観や内装が似たお店に対しても対抗策がなかったのですが、株式会社コメダによる店舗使用禁止の仮処分請求が認められたことから、不正競争防止法に基づく差止請求等ができることが分かりました。
株式会社ヨシックスは、株式会社コメダの仮処分請求が認められたことを知って、今回の提訴に踏み切ったのかもしれません。
なお、差止請求が認められると、お店を使用することができなくなってしまいますので、差し止められた側のビジネスに甚大な影響が出ることになります。
今後は、店舗等の建物の外観に関する知的財産の争いが増えてくるのかもしれませんね(店舗の外観も知的財産に含まれることがあります)。
本件について判決が出ましたら、またブログに書きたいと思います。
(判決まで行かずに、和解に終わる可能性もあります。)
弊所では、不正競争防止法に関するご相談も承っております。
何かありましたら、弊所に是非お問い合わせください。
今日は以上です。
追記:2017年11月時点で、「磯丸すし」で検索したところ、お店のHPを見つけることができなくなっていました。