中小企業の知的財産戦略を考える際に役立つ資料16

中小企業の知的財産戦略を考える際に役立つ資料16

こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。

今回は、近畿経済産業局が取りまとめた「知的財産活用マニュアル 経営戦略に知的財産を取り入れよう」をご紹介します。

この資料は、東大阪市内の中小製造業者特有の経営課題や、目指す事業イメージをベースにしたものですが、その他の地域の中小製造業者にも役立つものと思います。

さて、この資料の内容ですが、次のような目次となっています。

  1.  マニュアルの活用について
    1.知的財産への取組み方、企業経営への活かし方
    2.マニュアルの見方、活用方法
  2.  知的財産を経営に活用するための取組みを知ろう
    1.あなたの会社の企業タイプをチェックしよう
    2.あなたの会社の課題や求められる知的財産の取組みを知ろう
    (東大阪市内製造業の企業タイプ別取組みポイント)
    3.知的財産の取組み解説

    1. 「知的財産」について知ろう~知的財産とは~
    2. 「知的財産」について知ろう~知的財産権とは~
    3. 知的財産戦略について考えよう
    4. 自社の強みを把握しよう~SWOT分析~
    5. 自社の強みを把握しよう~知的資産の把握~
    6. 特許調査を実践してみよう
    7. 特許出願かノウハウ保護かを判断しよう
    8. 特許で保護しよう~特許取得にあたっての留意点~
    9. 特許で保護しよう~特許取得の手続き~
    10. ノウハウで保護しよう~ノウハウ管理体制の重要性~
    11. ノウハウで保護しよう~先使用権の確保~
    12. 営業秘密管理規程について知ろう
    13. 不正競争防止法について知ろう
    14. 製品・技術開発の方向性を定めよう
    15. 応用技術について特許マップを作成してみよう
    16. 自社以外の技術で事業化を検討しよう
    17. 共同研究を行おう~共同研究のメリット・デメリット~
    18. 共同研究を行おう~契約の重要性~
    19. 共同研究を行おう~大学との共同研究~
    20. 権利を維持するか、放棄するかを検討しよう
    21. 知的財産の活用戦略を知ろう
    22. ライセンス契約について知ろう
    23. 特許を営業ツールとして活用しよう
    24. 資金調達に知的財産権を活用しよう
    25. 試作品・サンプル品提示の際の留意点を知ろう
    26. 商標権を取得しよう~商標権取得の注意点~
    27. 特許侵害について考えよう~特許侵害の罰則~
    28. 特許侵害について考えよう~特許侵害を争う方法~
    29. 自社の特許侵害に対応する方法を知っておこう
    30. 他社からの侵害警告書に対応する方法を知っておこう
    31. 外国出願を検討しよう~外国出願の判断ポイント~
    32. 外国出願を検討しよう~外国出願の手続き~
    33. 海外模倣品の対応について知ろう
    34. 外部専門家を利用しよう
    35. 発明を発見しよう
    36. 地域のコミュニケーション・連携・ネットワークを活用しよう
    37. 知的財産の社内体制を構築しよう
    38. 社内人材を育成しよう
    39. 職務発明規定や報奨金制度を整備しよう
    40. 早期審査を活用しよう
    41. 審査請求料・特許料の減免制度を活用しよう
    42. 無料先行技術調査支援を活用しよう
    43. 電子出願を活用しよう
  3.  知的財産に関する意識を高めよう
    1.知的財産への取組み状況チェック<自己診断シート>
  4.  おわりに
    1.おわりに
  5. 参考資料
    1.中小企業のための知的財産お役立ち情報
    2.参考解説

このようにボリュームのある資料となっていますが、この資料の一番の特徴は、「下現在の生産形態」と「今後の目指す方向性」の2つの視点から会社を18のパターンに分類し、そのパターンに応じて知的財産の取組みを確認できることです。

ちなみに、18パターンとは次のような軸で分類されています。

分類表
引用:13ページ

そして、この分類に従い、たとえば、A-3「賃加工」・「自社製品製造業への転換」と分類された場合には、次の取組についてチェックしようと示されます。

  • 自社の強みを把握しよう
  • 特許調査を実施してみよう
  • 製品・技術開発の方向性を定めよう
  • 応用技術について特許マップを作成してみよう
  • 特許侵害について考えよう
  • 「知的財産」について知ろう
  • 知的財産戦略について考えよう
  • 知的財産の活用戦略を知ろう
  • 地域のコミュニケーション・連携・ネットワークを活用しよう

これらの取組が必ずしも適切でないこともあるかもしれませんが、経営戦略に知的財産を取り入れようとする場合には、少なくともヒントになるのではないでしょうか?

また、3章には、自己診断シートも掲載されているので、知的財産への取組状態を継続的に把握することもできると思います。

どのように経営戦略に知的財産を取り入れてよいか分からない方は、まずこの資料に従って取り組んでみることをお勧めいたします。

弊所では、知的財産経営に関するサポートも行っております。
何かありましたら、是非お問い合わせください。

今日は以上です。

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