地理的表示保護制度に登録されたときのデメリット
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
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以前のブログで地理的表示保護制度のメリットについて書きましたが、デメリットについても教えてほしいという要望があったので、今回は地理的表示保護制度のデメリットについて書きたいと思います。
基本的に、地理的表示保護制度にデメリットはないのですが(地域団体商標のように更新費用もかかりません)、強いて挙げるとすれば、「キチンとした品質管理体制を構築し、それを維持し続ける」ことになります。
この点に関してお金はかかりませんが、実質的にはお金よりももっと大変です。
特に、今まで品質管理規定等を定めていなかった団体で、今回の地理的表示保護制度に申請するために、新たにそれらを定めたところは大変かもしれません。
農林水産省は、品質基準の管理状況について定期的(1年に1回以上)にチェックするとしています。
したがって、無事地理的表示保護制度に登録されたとしても、登録の際に提出した生産行程管理業務規程等に記載した通りに品質管理を行っていないと、登録が取り消される可能性があります。
そこで、生産行程管理業務規程等に記載した通りに品質管理をし続ける必要があります。
生産行程管理業務規程等を作成すること自体は比較的簡単(管理のし易さを考慮して作成するとなると結構大変)ですが、それを実際に行うことは非常に大変です。
これが、地理的表示保護制度に登録したときの大きなデメリットになります。
(品質管理をするのは当然なので、デメリットと感じない方もいると思いますが。)
さて、地理的表示保護制度に登録したときのデメリットについて説明しましたが、登録前の最大のデメリットとしては、申請書類を作成することになります。
先日公示された「前沢牛」の申請番号が第78号からすると、すでに100近くの申請があるのではないかと思われます。
一方、現時点(2016年11月)で登録されているのは、わずか21品しかありません。
これは、申請書類の内容の不備等で、審査が相当滞っているからだと思われます。
弊所の経験でも、地理的表示保護制度の申請から登録にかけて相当の労力がかかりました。
(上述したように、生産行程管理業務規程等は、登録後の管理のし易さも考慮して作成する必要があります。)
もし、地理的表示保護制度の申請書類作成でお困りでしたら、弊所にご相談ください。
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今日は以上です。