GIマークが韓国とオーストラリアで商標登録されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
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今回は、GIマークが韓国とオーストラリアで商標登録されたことについて書きたいと思います。
GIマーク(Geographical Indication mark)とは、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(地理的表示法)で規定されている「登録標章」であり、地理的表示と共に登録された特定農林水産物等の包装などに付けなくてはならないことになっています(地理的表示法4条)。
さて、このGIマークですが、日本では2014年12月8日に商標出願され、2015年4月10日には登録されています(商標登録第5756405号)。
そして、農水省のプレスリリースによると、次のように韓国とオーストラリアでGIマークが商標登録されました。
登録国 | 韓国 | オーストラリア |
---|---|---|
商標種類 | 証明商標 | 通常商標 |
登録番号 | 4700000250000 | 1747581 |
出願日 | 平成27年3月30日 | 平成27年3月20日 |
登録日 | 平成28年10月19日 | 平成28年9月29日 |
権利期間 | 10年間 | 10年間 |
商標権者 | 日本(農林水産大臣) | 日本国農林水産省食料産業局長 |
登録区分 | 農林水産物・食品等を含む14区分 | 農林水産物・食品等を含む23区分 |
農林水産省は、GIマークが海外で模倣されるのを防止するために、農林水産物等の主要な輸出先国において、商標としての登録申請を行っています。
今回その一部の商標が登録されたことになります。
現時点では、地理的表示自体は海外で保護されませんが、GIマークを付けることにより、間接的に地理的表示が保護されるという仕組みになっています(登録された特定農産物等以外に、このマークを無断で使用すると、商標権侵害に基づく差止や損害賠償が請求されることになります)。
ただ、現在TPPをはじめ、地理的表示保護に関する相互条約の締結を進めているようですので、将来は地理的表示自体が保護されるようになるかもしれません。
ちなみに、次の表に示すように、韓国・オーストラリア以外の国でも既に商標登録されています。
登録国(地域) | 台湾 | ラオス | ニュージーランド | ミャンマー |
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商標種類 | 通常商標 | 通常商標 | 通常商標 | 商標として登記 |
登録番号 (登記番号) | 01754105 | 35050、35051、35052、35053、35054、35055、35056、35057、35084、35085、35086、35087、35088、35089、35090、35091、35092、35093、35094、35095、35096、35097、35098 | 1035920 | 4/5118/2015 |
出願日 | 平成27年2月9日 | 平成27年3月25日 | 平成27年3月20日 | 平成27年4月2日 |
登録日 (登記日) | 平成28年2月1日 | 平成28年1月26日 | 平成28年5月27日 | 平成27年4月27日 |
権利期間 | 10年間 | 10年間 | 10年間 | 3年間 |
商標権者 | 日本国農林水産省食料産業局 | 日本国農林水産省食料産業局長 | 日本国農林水産省食料産業局長 | 日本国農林水産省食料産業局長 |
登録区分 (登記区分) | 農林水産物・食品等を含む23区分 | 農林水産物・食品等を含む23区分 | 農林水産物・食品等を含む23区分 | 農林水産物・食品等を含む23区分 |
農林水産省は、これらの国において、不正にGIマークを付けて農林水産物等を販売しようとした場合に、これらの商標権に基づいて差し止め請求することが可能となります。
海外でも国内と同様に、行政が不正行為を行った第三者を取り締まってくれるかもしれませんね。
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今日は以上です。