「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」が改訂されました(2016)
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
ライセンス契約書を作成する際に役立つ資料7でご紹介した「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」が改訂されたので、そのことについて書きます。
「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」とは、電子商取引や情報財取引等に関する様々な法的問題点について、民法をはじめ、関係する法律がどのように適用されるのかを経済産業省がまとめたものです。
毎年のように改訂されており、平成28年度改訂版では、次の点について改訂されました。
○一部改訂
・ワンクリック請求と契約の履行義務
・未成年者による意思表示
・インターネットショッピングモール運営者の責任
・ユーザー間取引(インターネット・オークション、フリマサービス等)
・インターネット上で行われる懸賞企画の取扱い
・共同購入クーポンをめぐる法律問題について
・ソーシャルメディア事業者の違法情報媒介責任
・景品表示法による規制
・インターネット上の著作物の利用
・サムネイル画像と著作権
・データ集合の利用行為に関する法的取扱い
・国境を越えた取引等に関する論点(国際裁判管轄及び適用される法規に関して)
○新規論点の追加
・データ消失時の顧客に対する法的責任
こららの改定のうち、たとえば「サムネイル画像と著作権」の項目では、「サムネイル画像から元の著作物の特徴的部分を感得できる場合には、美術作品の譲渡・貸与を行おうとする者がサムネイルを作成・掲示する場合や適法な引用として許される場合があるほかは、著作権侵害の責任を負うことがあり得る」と記載されています。
「著作物の特徴的部分を感得できる」という分かりづらい表現をしていますが、他人の著作物をサムネイルにして、HP等で公開すると、著作権侵害になる可能性があるということです。
裁判にならないとなかなかテーマとならないものまできちんと解説していますので、実務上は大変役立つのではないでしょうか?
改訂されるにつれて分量も多くなってきているので、すべてを読むことは大変ですが、電子商取引に関連する契約に携わる人にとって重要な資料ですので、是非一度目を通してください!
弊所では、ライセンス契約等の契約書に関するご相談も承っております。
契約書等に関し、何かありましたら遠慮なくお問い合わせください。
今日は以上です。