機能性表示食品制度と地理的表示保護制度との関係
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
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今回は、いま弊所で力を入れている機能性表示食品制度と地理的表示保護制度との関係について書きたいと思います。
(平成28年8月時点において、機能性表示食品に関しては、関連特許出願を既に複数件扱っています。また、地理的表示保護制度に関しては、日本初の代理人となっています。)
この2つの制度ですが、まったく関係ないと思う人が多いと思います。
確かに、機能性表示食品は消費者庁が所管し、地理的表示は農水省が所管していることから関係ないと思われるかもしれません。
ところが、どちらの制度にも、対象に農産品が含まれているという共通部分があるのです!
地理的表示保護制度は、それを規定する正式な法律名が「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」であることから、農産品が対象であることは分かります。
一方、機能性表示食品制度では、その名称のとおり対象が食品なので、農産品も含まれているか良くわからないかもしれません。
しかし、機能性表示食品として、既に農産品が登録されているのです!
具体的には、「三ヶ日みかん」が生鮮食品として初めて登録されています。
「三ヶ日みかん」の届出詳細を見ると、表示しようとする機能性として「β-クリプトキサンチンは骨代謝のはたらきを助けることにより骨の健康に役立つことが報告されています。」と記載されています。
そして、実際の商品のパッケージに、「骨の健康に役立つ」と表示して販売しているようです。
さて、このような機能性を表示できるようにするための機能性表示食品制度ですが、ブランド化にも使えます。
機能性表示はお客様への訴求力があるので、それに合わせてブランド名を表示しておけばブランド化しやすくなります。
そこで、ブランド名となると、商標登録して商標権で保護ということになります。
もちろん、商標権を取得してブランド名を保護することもよいと思います。
ただ、商標権を取得して実際にブランド化を図る場合には、商標権を侵害する者に対して、警告や裁判を起こすことも時には必要になり、相応の費用がかかります。
そこで、地理的表示保護制度の活用があります。
地理的表示保護制度のメリットは、以前のブログに書いたように、行政が地理的表示違反をした者を取り締まってくれるということです。
農産品の生産者は、比較的経営基盤が脆弱であること多いと思われます(私の実家も農家です)。
したがって、経済的に裁判等を提起することが難しいので、行政が違反者を取り締まってくれる地理的表示保護制度は魅力的ではないでしょうか?
もちろん、対象となる農産品が、地理的表示保護制度で登録できる条件を備えていなければいけませんが。
ちなみに、関係者からヒアリング等をしていないので確実とは言えませんが、「三ヶ日みかん」は地理的表示保護制度の要件を満たしている可能性が高いです。
機能性表示食品制度で機能性を表示できるようにし、地理的表示保護制度で地理的表示を保護できれば、非常に魅力的な商品(農産品)になるのではないでしょうか?
今日は以上です。
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