知的財産権活用事例集2016が刊行されました
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
特許庁より、「知的財産権活用事例集2016」が刊行されたのでご紹介します。
知的財産活用事例集とは、特許庁が、知的財産を積極的に活用する中小企業・小規模事業者の具体的な取組について事例を挙げて紹介する資料です。
2015年は刊行されていなかったようですので、知的財産活用事例集2014以来、2年ぶりの刊行になります。
今回の事例集も2014年版と同様に、参考となる先進的な事例を分野別に整理し、知財キーワードごとにインデックスを付け、ニーズに合った事例を検索しやすいように工夫しているとのことです。
たとえば、今年弊所で注力しようとしている食品・飲料および健康食品・医薬品の分野では次の企業が紹介されています。
食品・飲料
- 岩田醸造株式会社(北海道)
- 有限会社中村家(岩手県)
- 株式会社グレープストーン(東京都)
- 株式会社福光屋(石川県)
- 梅乃宿酒造株式会社(奈良県)
- 坂本醸造株式会社(鹿児島県)
健康食品・医薬品
- 株式会社北海道バイオインダストリー(北海道)
- JITSUBO株式会社(東京都)
- 株式会社龍角散(東京都)
- 富士化学工業株式会社(富山県)
- iPSアカデミアジャパン株式会社(京都府)
- 株式会社東洋新薬(福岡県)
これらの企業では、知的財産に関する様々な取り組みがなされていますが、次の企業の事例を参考にして欲しいと思っています。
有限会社中村家
この企業では、価値の高い商品ブランドイメージをまもるため、類似商品を徹底的に排除しているとのことです。
企業によっては、商標権を取得したことで満足してしまい、類似商品等が出たときに警告書を送付する等の商標権の行使を行っていないところがあります。
これでは、何のために商標権を取得したのか分かりません。
是非この企業を見習って、自社のブランドイメージを守るために商標権を積極的に活用してください。
(ちなみに、事例集では「顧問弁護士に相談して内容証明等により迅速に対応した」と記載されていますが、これらのことは弁理士でも行うことができますので、ご安心ください。)
株式会社北海道バイオインダストリー
この企業は大学発ベンチャーであることから独自技術を有しており、食品自体を保護できるような特許を取得し、活用しているそうです。
ドレッシングのような食品は、売れると分かると、すぐに多くの類似品が出回る特性がある産業分野です。
この分野で高付加価値の商品を提供し続けていくためには、他社の参入を防ぐ知的財産権の活用が大切だと思います。
知的財産権のうち、特許については今年(平成28年)の3月までは取得することが難しかったのですが、 4月からは審査基準が変わり、以前よりは取得し易くなりました。
ネーミング(商標権)や昨年から始まった機能性表示食品制度と共に、特許権を活用して、高付加価値の商品を開発・提供してみては如何でしょうか?
弊所では、ネーミングの検討から権利化まで一貫したサポートをしています。また、機能性表示食品に関する特許化のサポートも行っています。
これらに関して何かありましたら、弊所に是非ご相談ください。
今日は以上です。