共同研究契約書を検討する際に役立つ資料8
こんにちは、高田馬場で特許事務所を共同経営しているブランシェの弁理士 高松孝行です。
今回は、中国の大学や研究所との共同研究契約書を検討する際に役立つ資料(「知的財産権関連共同研究の留意点に関する調査」報告書)をご紹介します。←ダウンロードできなくなりました
現在、中国の景気が危ないということで世界中の株価が乱高下していますが、市場としては非常に大きな国ですので、パートナーを見つける方法として、中国の大学や研究所等と共同研究する方法もあるのではないでしょうか?
さて、この報告書に記載されている事項ですが、法的な説明だけでなく、どのような研究機関を共同研究先に選ぶべきか等についての記載もあります。
中国の研究機関の実情に関する情報はあまりないので、貴重な情報だと思います。
そして、法的な説明についても詳しく説明されています。たとえば、中国法の強行規定の違反による無効の例等が解説されています。
強行規定違反になると、契約自体が無効になってしまう可能性があります。たとえば、特許権などの権利を侵害する契約は強行規定違反になるようです。
また、技術を独占し又は技術進歩を妨げる技術契約は無効になるようです。たとえば、技術改良を禁止するような条項は技術進歩に対する制限になるということで、この条項を含む共同研究契約は無効になる可能性があります。
その他契約無効になる事由も解説されています。
さらに、共同研究契約で最も重要な技術成果の帰属についても当然解説されています。
帰属のさせ方としては、次の3つの場合があるようです。
- 自分のものとする
- 双方の共有とする
- 一部を企業の所有、一部を受託側の所有または共有とする
これらの場合のそれぞれに対する留意点も記載されています。
最後は、共同研究契約等により得られた発明について特許出願する場合には、制限がかかるので注意しましょう!
これについても、この報告書に詳しく記載されていますので、確認してみてください。
なお、共同研究契約等に不安がある方は、弊所にご相談ください。
今日は以上です。
追記:2017年8月時点でファイルをダウンロードできなくなったことを追加