TPP交渉における地理的表示の統一ルールの導入見送りについて
こんにちは。ブランシェの弁理士 鈴木徳子です。
最近TPP交渉で、著作権の保護期間を70年に延長する調整に入ったというニュースが話題になっていますが、同じ知的財産の分野で、農産品や加工品などの地域ブランドを産地名で守る「地理的表示」の統一ルールの導入を見送る方向になったというニュースもありました。
ニュースによると、アメリカやオーストラリアなどが商標法といった既存の法律で保護ができると主張しているそうです。
日本のように古い国(国の成り立ちが古い)と異なり、アメリカやオーストラリアはもともとヨーロッパからの移民により成り立った国です。
アメリカを例に挙げると、ヨーロッパの有名な産地名でもあるチーズの「パルメザン」などは、ヨーロッパからアメリカに移民した人たちがそのまま使用して、今や一般名称化しているという実情があるようです。
したがって、TPPで地理的表示の統一ルールができて今まで一般名称として認識していたものが規制の対象となると、大混乱になると思われます。
地理的表示保護制度もすんなりと受け入れられた日本とは国の成り立ちが異なるだけに、アメリカやオーストラリアなどは事情がだいぶ異なるようです。
今日は以上です。