特許庁の秘密情報の”金庫番”無料サービスについて
こんにちは。ブランシェの弁理士 鈴木徳子です。
先日のニュースで、特許庁が暗号化された企業の営業秘密データを保管する「金庫番」サービスを平成28年度から無料で開始することが発表されました。
近年、日本の大手企業を退職した技術者が企業秘密を持ち出して、隣国の企業に情報を漏らしたという類の事件が問題となっています。不正競争防止法の営業秘密に関する罰則強化の改正見通しのニュースも先日発表されたばかりです。
特許出願をすると、出願日から1年半後に出願の内容が公開されてしまうため、企業によってはコアの技術については出願せずにノウハウ(営業秘密)として取り扱うことが多いです。
しかし、ノウハウが漏洩した場合には、いつからそのノウハウが存在していたのかとか、ノウハウの具体的な内容を立証するのが難しいです。
ニュースによると、特許庁は営業秘密の開発時期と内容を暗号化したデータを専用サーバーで保管して、政府機関の管理により裁判でも使える有力な証拠を残す仕組みを整えるそうです。
国も技術の情報漏洩に関して、いよいよ本気で取り組むようです。ノウハウを取り巻く従来の問題点を解決する手段として期待しています。
今日は以上です。