図形商標の類否判断の事例を見てみよう

図形商標の類否判断の事例を見てみよう

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

今日は、いつもとちょっと趣向を変えて、図形商標の類否判断に関する記事を書きます。

まず、下記の画像をご覧ください。

二つの図形商標は類似していると思われますか?

 

DOT本DOT引

 

 

 

 

 

 

 

これは、商標の拒絶査定不服審判(不服2013-6434)で実際に類否判断がなされたものです。

特許庁は、両商標は類似すると判断し、左の商標は、右の商標を引用されて拒絶されてしまいました。

 

その理由は、ともに大きさの違う12個の黒塗りの楕円図形又は円図形で表示されており、最も小さく描かれた楕円図形又は円図形の両側から、大きさを変えて順々に大きくなるように描かれていることなどが共通し、いずれか一方の商標を回転させて表示したときは、同じような印象を与えるほどに近似している、というものでした。

 

では、次の図形はどう判断されたでしょうか?

LION本LION引

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、商標の異議申立事件(異議2013-900046)で類否判断がなされたものです。

特許庁は、両商標は非類似であると判断しています。

 

その理由は、両商標は、両前脚と片脚を前方に突き出して尾の先端を上方へ向けて左向きに二本脚で立ち上がり、口を開けて舌を出したライオンとおぼしき動物のシルエット図形である点で共通するとしても、本件商標の頭部には王冠が表されているのに対し、引用商標の頭部には「sh」の欧文字がやや図案化して表されており、加えて、3本の白抜き斜線、体の境界線及び目に相当する小穴の有無において、相違するものである、というものでした。

 

図形商標は、時と所を異にして離隔的に観察した場合に、区別可能かどうかという点から類否が判断されます。

今日は以上です。

 

この記事を書いた人

鈴木 徳子