布製タイヤ滑り止め「AutoSock」~知財保護はどうなっているのか調べてみました
こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。
先日、今シーズン初のスキーに行って参りました。近場の軽井沢方面ですが、今年は雪が降るのが早かったようで、車はノーマルタイヤでは峠が越せない状況でした。早めにスタッドレスタイヤに変えていて正解でした。
スキー場の駐車場で他の車を見てみますと、殆どがスタッドレスか、よくあるタイプの非金属チェーンを装着したものばかりでした。
その中で、見慣れないチェーン(らしきもの)を装着している車を発見しました。
気になったので、帰ってから調べてみると、ノルウェーのオートソック AS社の化学繊維で作った布製タイヤ滑り止めだということがわかりました。
その名も、「AutoSock」です。装着時の様子は画像をご覧下さい。
日本では2005年に販売が開始されているそうですが、全然知りませんでした。
オートソック社のホームページ(http://www.autosock.com/?aid=9079490)を見てみますと、繊維を用いて雪や氷上で摩擦を増やすという発想は、フォード社の創設者であるヘンリー・フォード(Henry Ford)の妻が提案したものだと記載されています。
そしてこのアイデアを実現化したのがオートソック社であったというわけです。当社の研究開発がスタートしたのが1996年なので、そんなに大昔の話ではないわけです。
同社は、すでにヨーロッパや米国、日本などで特許を取得していますが (EP特許No.1165329、日本特許No.4035290、等)、コピー商品も出回っているようで、特許権侵害に関する記事もありました(参照:http://www.autosock.co.uk/autosock-for-cars/autosock-copies.php)。安価なコピー商品は命に関わるものなので怖いです。
ところで、この「AutoSock」という名前、直訳すると「自動車の靴下」で、なかなか面白いネーミングだなと思いました。
商標「AUTOSOCK」は日本、米国、中国、韓国など多数の国を指定して国際登録されています(国際登録第750542号/ 国際登録日2000年12月27日)。
この「AutoSock」ですが、装着も簡単で価格も1万円位でお手頃ですが、あくまでも布製ですから、長距離走行には不向きといえるでしょう。
ちょっと雪が降っただけで、車が全く機能しなくなる都心部にお住いの人には、緊急用として持っていてもよいかもしれませんね。
今日は以上です。
※画像引用先:http://www.autosock.co.uk/news-and-media/downloads.php