超高解像度カメラ「RED」の商標事件

超高解像度カメラ「RED」の商標事件のご紹介です。

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

この前の日曜日、「世界の果てまでイッテQ」というテレビ番組を見ておりましたら、タレントの金子貴俊さんが美しいパナマの海に潜るシーンがありました。

そのときに、撮影用の超高解像度カメラ「RED」が紹介されていました。このカメラ、物凄く性能が良いらしく、かっこいいカメラでした。

 

ということで、カメラ「RED」の商標について調べてみました。

商標「RED」(標準文字)は、2009年2月11日にアメリカ合衆国においてした商標出願を基礎として、パリ条約に基づく優先権主張を伴って、2009年6月3日に出願されました。指定商品は、第9類「カメラ用レンズ、デジタルカメラ用レンズ」です。

 

審査では、指定商品との関係で識別力がない等の理由で拒絶査定となっています。

出願人は拒絶査定不服審判を請求しましたが、原査定が取り消されることはありませんでした(不服2011-20064)。

 

出願人は、米国、欧州、シンガポール等、世界約20か国・地域において、本願と同様の商標及び商品について登録商標を所有しており、商標「RED」は識別力があり、日本でも登録されるべきだという主張をしています。

しかし、特許庁の判断は、赤色の塗色を施したカメラ用レンズなどに商標「RED」を使用した場合には、取引者・需要者が商品の色彩を理解するにとどまり、単に商品の品質を表したに過ぎない、というものでした。(商標法3条1項3号の規定に基づき拒絶)

 

「BLACK」や「BLUE」などの色彩を表す文字を商標出願すると、商品との関係で品質表示にすぎないと判断され、登録を認められない可能性があるので注意が必要です。

今日は以上です。

 

この記事を書いた人

鈴木 徳子