バーバリーのタータンチェック柄の商標事件
こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。
先日のニュースで、高級ブランド大手バーバリーの中国における商標登録が、「革製品」に関し登録異議申立を受け取消決定されたという報道がありました。商標は、同社のトレードマークであるタータンチェック柄でした。
バーバリーは中国商標局に不服を申し立てているそうです。
報道によると、登録異議申立人は広東省の革製品メーカー”路必達馬球”だそうです。バーバリーは、中国で2000年にタータンチェック柄を商標登録していましたが、路必達馬球は2012年2月に3年以上使用実績がないことを理由として異議申し立てを行っていたそうです。
この背景には、バーバリーが、2004年に路必達馬球の商品のチェック柄がバーバリーのものに酷似しているとして、商標権侵害を理由に、台湾、香港、中国で訴訟を起こしたことにあります。今回の登録異議申立は、路必達馬球側の対抗措置でした。
路必達馬球は訴訟に巻き込まれて巨大な損害を被ったとして、バーバリーに5億元の損害賠償を求める訴訟を準備中のようです。
今後の成り行きを注視していきたいと思います。
ところで、日本でバーバリーのタータンチェック柄がどのように保護されているか調べてみました。
日本では画像の態様で商標登録がされていました。
第25類の洋服や第16類の紙製簡易買物袋など、多岐にわたる区分について、商標登録がされています(登録第2111551号、2129480号、2132581号など)。
ところで、画像の商標をみると、タータンチェック柄が黒い枠で囲まれています。
実際の使用では、黒い枠などないですが、商標出願の審査で「連続する地模様」は基本的に登録が認めらませんので、拒絶回避のための措置として枠で囲んで出願したと思われます。
関連記事はこちら→ http://kanda-ip.jp/2013/09/19/1736
今日は以上です。