流行語大賞と商標との関係ー2

 

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

今日は昨日の記事の続きです。

紅白出演も噂される滝川クリステルさんの「おもてなし」は、今年の流行語大賞の候補にも挙げられていますが、彼女の「おもてなし」パフォーマンスがオリンピック招致決定に大きく寄与したのは間違いないと思います。

 

ところで、東京オリンピック開催決定後に出願された「おもてなし」関連商標は、9月10日~9月24日の2週間で36件もありました。

例えば、2段併記の「Omotenasi/お・も・て・な・し」という商標は、第43類の役務「飲食物の提供」を指定して出願されております。

通常の字体の「おもてなし」を役務「飲食物の提供」を指定して商標出願すると、「おもてなし」という語が役務の質や内容を表示したものにすぎないため、識別力がないと判断され拒絶されてしまう可能性が高いです。

しかし、上段に欧文字「Omotenasi」を表示し、下段に中黒入りの「お・も・て・な・し」を表示すれば、一般的な表示態様ではないため、識別力欠如による拒絶を回避することができます。

 

今後7年後のオリンピック開催に向け、特に外国人観光客向けの、おもてなしガイド、おもてなしツアー、おもてなし和菓子など様々な「おもてなし」関連のサービスや商品が出回ることが予想されます。

そうなると、「Omotenasi/お・も・て・な・し」商標など、「おもてなし」関連の商標はせっかく登録されたとしても、自他商品・役務の識別力は弱まってしまう可能性もあると思います。

 

今日は以上です。

 

 

 

 

この記事を書いた人

鈴木 徳子