商標「富士山バウム」は拒絶されても使用はできます

 

こんんちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

先日の記事で、識別力がないという理由で登録が認められなかった商標「富士山バウム」(標準文字)のご紹介をしました。

先日この記事を読んだ知人から、「『富士山バウム』という商標は、特許庁で拒絶されたから使用するとマズイよね?」と聞かれました。

このケースの場合、使用しても問題ありません。今日はこの点について書いてみようと思います。

 

商標が「識別力がない」という理由で拒絶されたということは、出願に係る指定商品について独占的に使用することが認められなかったということです。

そもそも商品の産地表示などの識別力のない商標は、取引上誰でも使用する必要があり、独占使用させるべきではありません。

商品「バウムクーヘン」を指定する商標「富士山バウム」は、拒絶査定不服審判においても、商品の産地又は販売地の表示にすぎないという判断が出されています。したがって、この商標を「バウムクーヘン」について使用しても問題ないということになります。

 

ところで、出願した商標が、先願に係る他人の登録商標と同一又は類似の範囲にあり、商品(又は役務)も互いに抵触するという理由で拒絶された場合は事情が異なります。

このような場合に、拒絶された商標を使用すると、他人の商標権を侵害することになり得ます。

 

富士山バウム上述の「富士山バウム」の実際のバウムクーヘンは左(画像)のものですが、現在も「富士山バウム」の名前で販売されています。なかなかの人気商品のようです。

 

 

 

今日は以上です。

 

※画像引用先:http://mognavi.jp/food/520004

この記事を書いた人

鈴木 徳子