こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。
10月になってからずいぶん涼しくなってきましたね。
今日は、いつもと趣向を変えて本の紹介をしたいと思います。
先日、「イラストのこと、キャラクターデザインのこと。」(株式会社ビー・エヌ・エヌ新社発行)という本を読みました。
著者は坂崎千春さんです。著者をご存じないかもしれませんが、Suicaのペンギン、カクカク・シカジカ、チーバくん、などのキャラクターならば一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。坂崎さんはこれらのキャラクターを描いた方です。
著書では、キャラクターデザインを描く際のルールや、人気キャラクター制作プロセスなどが述べられています。坂崎さんの体験に基づいた内容なので、キャラクターが生み出される過程から始まり、テレビCMの制作過程、商品化に際してイラストを立体化させるときの苦労話など興味深い内容です。
坂崎さんはキャラクターを描くときに「線」を使い分けることに気を付けているそうです。
いままで、キャラクターの「線」など気にも留めたことはありませんが、Suicaのペンギンをよーく見てくると、たしかに輪郭の線が手描き感を活かしたギザギザ線になっています。坂崎さんはこれを「ブルブル線」と呼んでいます。
この「ブルブル線」の他に、ブルブル線よりもっと手描きらしさを強めた「完全ブルブル線」と、幾何学的な弧を描く均一の太さの曲線である「ペジェ曲線」という3つの線を、使い分けているそうです。(ペジェ曲線は下記画像のチーバくんで使われています。)
線の種類によって、キャラクターのニュアンスが全く違ってくるそうです。確かに、チーバくんはシャープな感じが出ていますし、Suicaのペンギンはあたたかいぬくもり感が出ています。
キャラクターの制作過程を知ることにより、ますますキャラクターが身近に感じられるようになりました。輪郭線の使い方ひとつで、キャラクターのニュアンスまで変わってしまうとは驚きでした。
今日は以上です。
Suicaのペンギン チーバくん