こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。
先日、近畿大学がインターネットで願書を受け付ける「エコ出願」の名称やロゴを他大学へ無償貸与すると発表したことが、ニュースで報道されました。各大学がそれぞれの名称をつけると受験生を混乱させる可能性があることから、それを防ぐためにも統一名称が必要であると考えたそうです。
近畿大学は、「エコ出願」という文字について、商標権を所有しています(登録第5594337号)。指定役務は、第35類「広告 etc.」及び、第41類「知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催 etc.」です。
報道によると、同大学では、地球環境保護の観点から紙の出願件数を減らそうと、「近代エコ出願」と名づけたインターネット出願を導入しており、平成26(2014)年度入試では、全国に先駆けて、紙の願書を廃止、出願を完全インターネット化することを決めているそうです。
大学の願書を一字一句間違いの無いように真剣に書いていた時代が懐かしいです。今では、多くの大学でインターネット出願が導入されております。そのような大学ではネットによる願書受付を「インターネット出願」という表記で使用しています。近畿大学の言うように、各大学がそれぞれの名前を付けて混乱が生じることがあるのでしょうか。すでに「インターネット出願」という言葉が普通に使用されているので、特に、統一名称をあえてつける必要性がないのではないかと思います。
ところで、特許庁では今から20年前から電子出願システムを導入しており、インターネット出願は2005年から導入されています。
特許や商標などの出願は、出願ソフトの導入など一定の手続きを踏めば、どこからでもインターネット出願が可能です。24時間365日受付しています。
近畿大学では、エコ出願の受験生に対し、1出願につき3,000円割引を実施しているそうですが、特許庁の場合、書面で願書を提出すると電子化手数料が別途かかってしまいます。願書1件について、1,200円に書面1枚につき700円を加算した金額です。
大学の願書も、書面で提出すると電子化手数料がかかる時代がくるかもしれませんね。
今日は以上です。