外部にデザイン制作依頼する場合の著作権問題

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

今日はイラストやロゴなどのデザインの制作をデザイン会社に依頼する場合について考えてみます。

デザインの著作権は誰にあるのでしょうか。デザインを制作したのはデザイナーですから、著作権はデザイナーに帰属します(職務著作の場合はデザイン会社に帰属)。デザイナーの許可なく、制作してもらったデザインをウェブで利用したりすると著作権侵害となってしまいますので、著作物利用許諾契約が必要となります。

制作してもらったデザインを商標登録するような場合は、将来的に自由に利用できるようにしておく必要がありますから、デザイナーから著作権を譲渡してもらう契約(著作権譲渡契約)を結びます。

著作権の譲渡の場合は、デザイン制作費に加えて、著作権の買い取り費用が別途かかりますので留意が必要です。買い取り費用はデザイン事務所によりますが5万~10万円位です。

また、著作権は、著作者の人格的な利益を保護する権利である「著作者人格権」と財産的な利益を保護する権利である「著作財産権」に分類できますが、著作者人格権は、著作者だけが持っている権利で譲渡や相続はできません。

デザイナーの意に反するロゴの変更は著作者人格権の侵害となってしまいます。将来自由にデザインの形や色など変更したいのであれば、著作権譲渡契約に「著作者人格権の不行使」の規定があるのかチェックしておく必要があります。

今日は以上です。

イラスト※画像引用先:Shin-Bijutsukai – Japanese Design Magazine (1902)

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

鈴木 徳子