商標「おんせん県」のゆくえ

こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。

最近、図形やロゴの話が続きましたので、今日は話題を変えてみようと思います。

8月27日の産経ニュースによると、「おんせん県」の名称を商標登録しようとして物議を醸した大分県が、騒動を逆手に取ったPR動画を作ったそうです。「滑って転んでオオイタ県」と自虐ネタで笑いを取りつつ、観光地や特産物を宣伝するそうです。テレビCMとして9月4日から福岡で、9月15日から関西で放送する予定です。

CMの予告編は大分県のHP(http://www.onsenkenoita.com/)で見ることができます。「おんせん県って言っちゃいましたけん!」というタイトルがついています。ご興味がある方は見てみてください。

大分県は昨年の10月9日付で商標「おんせん県」(区分/第30,39,41,43,44類)を出願しましたが、今年の5月に特許庁の拒絶理由通知が発せられております。大分県の観光・地域振興課の発表によりますと、「おんせん県」という商標が「多数の温泉を有する県」という意味合いに過ぎない等の理由で識別力がない商標と判断され、商標法3条1項6号に基づき拒絶されております。

その直後、大分県は、下記の商標を5月29日付で出願しております(商願2013-45134)。

おおいた

 

 

この商標が登録されたとしても、他県の「おんせん県」という言葉の使用が、大分県の商標権を侵害していることにはならないでしょう。しかし、このロゴのアピール具合によっては、将来的に一般の人の間で、おんせん県=大分県という認識になってしまう可能性はあると思います。日本最古の温泉、道後温泉がある愛媛県(故郷です)にはもっと温泉をアピールして欲しいな、と思います。

今日は以上です。

 

※画像引用先:特許電子図書館

 

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鈴木 徳子