こんにちは。ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。
昨日、ロゴの色について書きましたので、今日は図形ロゴの商標調査における注意点について書いてみようと思います。
商標拒絶査定不服審判請求事件(不服2010-7187)の内容を見てみましょう。
「イルカ店」(標準文字)なる商標について、第35類「自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定した出願が、左の商標(※登録番号第2275802号)と類似すると判断されて登録が認められませんでした。
(※2010年10月31日に存続期間満了により権利抹消)
理由は下記のとおりです。
①本願商標「イルカ店」の「店」の文字部分は、指定役務との関係においては役務の提供場所を表示したものであり、「イルカ」の文字部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、該文字部分より、単に「イルカ」の称呼と「いるか(【海豚】歯クジラ類のうちの小形種の総称)」の観念を生ずる。
②引用商標(上記画像の商標)は、「イルカ」の称呼をも生じ、本願商標と同様に「いるか」の観念を生じさせるものと認められる。
③両商標を比較すると、「イルカ」の称呼及び「いるか」の観念を同一にする類似の商標であり、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すると、同一又は類似の指定商品又は指定役務に使用した場合、その出所につき誤認混同されるおそれがあるということができる。
上記のとおり、図形からも、称呼と観念が生じることがあり、出願前の調査では留意が必要です。
今日は以上です。
※画像引用先:TM-SONAR